【古賀敬之のゴルフあれこれ】  第十回 「ガードバンカー」はいったい何からグリーンを守るのか?


 グリーンのすぐそばにあるバンカーをガードバンカーと呼ぶことがある。これも和製用語。なぜ、ガードなのか? いったいグリーンを誰から何から守っているのだろうか…。プレーヤーからなのか? 野ウサギや野生のイノシシ…から? グリーンのすぐ脇にあるバンカーは、文字通り「グリーンサイドバンカー」というのが正しい。また、フェアウエーやラフなどにあるバンカーをひっくるめて「クロスバンカー」と呼んでいる人もいるが、バンカー(砂地)が完全にフェアウエーを横断、横切っていなくてはクロスバンカーとは呼ばない。例え、それが十字架(クロス)の形をしていてもだ…。その他でも左右に散らばるバンカーは「サイドバンカー」や「フェアウエーバンカー」というのが正しい呼び名。また、深く掘られたサンドトラップを「アリソンバンカー」などと呼ぶのも可笑しい。実は、ゴルフ場設計家のチャールズ・アリソンが設計したコースにある深いバンカーが、作者の名を取って「アリソンバンカー」と呼ぶようになったもので、アリソンの設計でないコースには無いはず。百歩譲って深いバンカーの〝通称〟を「アリソンバンカー」というにしても、これは日本独自の呼び名で、海外で言ったら「???」だ。

 

 ◇古賀 敬之(こが・たかゆき)
1975年、報知新聞社入社。運動部、野球部、出版部などに所属。運動部ではゴルフとウィンタースポーツを中心に取材。マスターズをはじめ男女、シニアの8大メジャーを取材。冬は、日本がノルディック複合の金メダルを獲得したリレハンメル五輪を取材した。出版部では「報知高校野球」「報知グラフ」編集長などを歴任。北海道生まれ、中央大卒。

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