【古賀敬之のゴルフあれこれ】  ゴルフにまつわる〝面白話〟第18弾 ゴルフカートは大半が〝左ハンドル〟


 最近、ほとんどのゴルフ場にゴルフカートが常備されている。ほとんどが電動で2人乗りから5人乗りというのが多い。ヤマハや日立、サンヨーなど多くのメーカーから販売されているが、いずれも最高速度は時速20キロほどで、傾斜20度程度なら登坂も可能だ。気になるのは値段だが、ほとんどがオープン価格となっており、一般的な目安としては、2人乗りで70万円程度、よく見かける5人乗りだと120~150万円程度のようだ。
 そして、このカート、気がついている人も多いと思うが、ほとんどが〝左ハンドル〟なのだ。ゴルフカートを最初に開発したのが左ハンドル主体の米国であり、それを輸入したまま使っていたので運転席が左側になったと思っている人が多いだろうが、ベンツでもBMWでも右ハンドル仕様車があるのに、技術力の高い日本で生産された国産カートが依然として〝左ハンドル〟を維持しているのには、それなりの理由がある。  かつて、日本のメーカーも、国内生産を始めるにあたって、右ハンドル仕様も検討した。しかし、すでに輸入されていた左ハンドル仕様に多くのゴルファーが慣れてしまっていたという事情もあるが、実は、構造上、カートの前輪のタイヤハウス(カバー)が内側に出っ張るため、運転席を右側据えた場合、アクセルペダルとブレーキペダルが、左側、つまり中央寄りなってしまい、操作性が悪くなるのだ。そのため、ゴルフ場内には信号機がなく、左ハンドルでも右ハンドルでも運転席の場所による視界の低下は無いということで、左ハンドルが中心となっている。
 ちなみに、ヘッドライトやウィンカーなどを取り付けるなど一定の改造を行って、陸運局に申請すれば、ナンバーも取得できて、公道でも走行は可能だ。

 

 ◇古賀 敬之(こが・たかゆき)
1975年、報知新聞社入社。運動部、野球部、出版部などに所属。運動部ではゴルフとウィンタースポーツを中心に取材。マスターズをはじめ男女、シニアの8大メジャーを取材。冬は、日本がノルディック複合の金メダルを獲得したリレハンメル五輪を取材した。出版部では「報知高校野球」「報知グラフ」編集長などを歴任。北海道生まれ、中央大卒。

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