【古賀敬之のゴルフあれこれ】  ゴルフにまつわる〝面白話〟第19弾 米女子ツアーは20年も外国人賞金女王だった


 2016年の大相撲初場所で大関・琴奨菊が日本出身力士として10年ぶりに優勝を飾った。モンゴル勢が大相撲界を席巻し、2006年初場所の栃東以降、日本人力士の優勝が無かった。日本ではゴルフの世界でも韓国勢が猛威を奮っているが、実は、米女子ゴルフツアーでも〝外国人パワー〟が炸裂している。1993年にベッツィ・キングが賞金女王になったのを最後に、2014年にステイシー・ルイスが女王の座を奪い返すまで、実に20年間も米国人選手は賞金女王の座に就いていなかったのだ。
 キングが女王になった翌年は、英国のローラ・デービースが頂点を極め、以後はスウェーデンのアニカ・ソレンスタム、豪州のカリー・ウェッブ、メキシコのロレーナ・オチョアらが大活躍。最近では2010年のチェ・ナヨンが女王になったのをはじめ、2012~13年の朴仁妃ら韓国勢が女王の座に付いている。そして、14年にようやく米国選手としてルイスが奪還したが、昨シーズンは再び、豪州のリディア・コーにその座を奪い返された。
 日本の女子ツアーでは1982年から台湾の涂阿玉が5シーズン連続で女王に君臨し、その後、2010年からは、アン・ソンジュが賞金女王に輝くなど、昨シーズンまで6年間で5度、韓国の選手が女王の座に付いている。それでも、米女子ツアーに比べると、まだまだ〝軽症〟といえるかも…。
 ちなみに、米女子ツアーで外国人選手として初めて賞金女王に輝いたのは1987年の岡本綾子だった。岡本が〝外国人パワーの出発点〟というのはあまり知られていない。

 

 ◇古賀 敬之(こが・たかゆき)
1975年、報知新聞社入社。運動部、野球部、出版部などに所属。運動部ではゴルフとウィンタースポーツを中心に取材。マスターズをはじめ男女、シニアの8大メジャーを取材。冬は、日本がノルディック複合の金メダルを獲得したリレハンメル五輪を取材した。出版部では「報知高校野球」「報知グラフ」編集長などを歴任。北海道生まれ、中央大卒。

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