昨年12月にM1シリーズ(ドライバー、フェアウェイウッド、レスキュー)を発売したテーラーメイドから「M」ファミリーのラインアップが追加された。M1に続いて1月26日に発表されたのがM2シリーズ。既に多くのツアープロが使用し結果を出しているM1の“兄弟”モデルの実力は? 50代月イチゴルフ記者が都内の練習場で試打してみた。
飛距離には自信のあった月イチ記者だが50歳を超えてからはめっきり飛ばなくなった。そんな自分がもどかしいのか、ティーショットでは毎度力いっぱい振り続けている。結果、左右に曲がる。飛びもしない。こんな悪循環の連続に、飛んで曲がらないクラブがほしいと、誰もが思う願いを胸にM2ドライバー(本体価格6万3000円+税)を振ってみた。
手にしたのはオリジナルシャフト(TM1―216のS)のロフト角9・5度のモデル。形がそっくりのため構えただけではM1との違いは分からない。が、M1のソール部分についている「フロント・トラック」(フェース左右方向)と「バック・トラック」(フェース前後方向)による調整機能「Tトラック・システム」はない。代わりといっては語弊があるが、スピードポケットを搭載することで安定した飛距離を実現したという。
体も温まったところで真剣に打ってみた。芯は外れた。しかし、飛距離は出ている。大きなスイートスポットというが、確かにオフセンターヒットにも強い。次も力いっぱい振ってみた。「完璧」手に残った感触から素直に心がつぶやいた。さすが高弾道、低スピン。ボールはいい感じに上がり、ネットに向かって一直線。計測器で240ヤード。これがコースなら間違いなく「きょうイチ」だろう。正直、今使っているドライバーよりはるかに打ちやすい。シャフトのしなりも実感でき、打感も心地よかった。違いを感じるためにM1も試した。こちらもいい当たりをしたのだが、打った感触などから自分にはM2の方がマッチしていた。テーラーメイドの担当者によれば「M1は操作性に優れ、どちらかといえば中、上級者用。それに対しM2は万人に受け入れられるクラブ」だそうだ。車に例えるならM1がマニュアルでM2はオートマチックという。ゴルフは好きだが腕前にさほどの自信のない月イチ記者にとっては、飛距離と寛容性を両立したM2は頼れる相棒といったところだ。クラブにさほどのこだわりを持たない月イチ記者でも、このクラブならそれなりの答えを出してくれそうな気がする。
同時に発表された「M2」アイアンもドライバーに負けない飛びを証明してくれた。#5~PWの6本を打ってみたが、いずれも高弾道の大きな飛びで、いきなり腕を上げた錯覚に陥るほどだった。こちらもドライバー同様にスピードポケットを搭載することで、安定した飛距離を実現したそうだ。価格は6本セット(5~PW)のカーボンで10万8000円+税、同じく6本セットのスチールは9万6000円+税。パワー不足を痛感する50代にとって、M2はたまらなく心を揺さぶられるシリーズだろう。