プロ転向の奈紗へ藍と松山からサプライズ動画!


用意された色紙に「初志貫徹」と自身の名前を書き意気込んだ畑岡奈紗

用意された色紙に「初志貫徹」と自身の名前を書き意気込んだ畑岡奈紗

 アマチュアで史上初めて、国内メジャーの日本女子オープンを制した畑岡奈紗(なさ、17)=茨城・ルネサンス高3年=が10日、都内で会見し、プロ転向を表明した。宮里藍(18歳110日)の記録を塗り替え、国内ツアー史上最年少17歳271日でのツアープロ誕生となった。女子プロでは最多となる95人の報道陣が殺到。師匠・中嶋常幸(61)も同席し、宮里や松山英樹(24)=LEXUS=から祝福のビデオメッセージが届くなど、ド派手な門出となった。

 日本ゴルフ界の将来を担う最強アマが、華やかにプロ初日を滑り出した。畑岡の会見は師匠・中嶋の発案で地上約220メートルの六本木ヒルズ51階で開催。テレビカメラ10台、報道陣は38社95人が詰めかけた。「今日からプロゴルファーとして活動させていただきます畑岡奈紗です。よろしくお願いします」。無数のフラッシュの前で、宮里に続く2人目の女子高生プロが誕生した。

 世界基準の17歳に関係者による超豪華サプライズが待っていた。男女米ツアーで活躍中の米ツアー9勝の宮里、同2勝の松山から動画が届いた。4月の米ツアーで対面し、記念撮影もしたあこがれの宮里からは「大きな夢を持って、すてきなプロを目指して頑張って下さい。またツアーで会えたり、一緒に回れたりすることを楽しみにしております。それまでお互い頑張りましょう」と励まされた。松山とは冬の合宿で会い、ウォーミングアップの仕方などを習った。「奈紗、日本女子オープン、プロ転向おめでとうございます。お互い刺激し合って、世界のトップを目指して頑張りましょう」と激励された。

 期待の大きさが表れた異例の演出に、畑岡は「世界の舞台で活躍している、お2人からのメッセージ本当にありがたいです」と目を輝かせた。この日、色紙に「初志貫徹」と記したが、かねてから来年からの米ツアーに主戦場を置く生活を理想にしてきた。20日からの米ツアー2次予選会がプロ初戦。80位までが11月末の最終予選会へ進み、20位以内なら来季のフル参戦が可能となる。「予選会をしっかり上位で通過して2年以内には米ツアー優勝。5年以内にメジャーで勝てるようになりたい」と未来予想図を描く。また、年内の国内プロ初戦も明言した。

 世界基準の平均飛距離260ヤードの飛ばし屋だ。「20年東京五輪の金メダルと、世界のメジャータイトルを取ること」と大きな夢も抱く。くしくもこの日は52年前に東京五輪の開会式が開かれた日。「奈紗も知っていたのでどこか意識しているのでは」と父・仁一さん(51)。無限の可能性を秘めた日本期待のNASAロケットが、世界の頂上へ向けて華々しく離陸した。(榎本 友一)

 ◆畑岡 奈紗(はたおか・なさ)1999年1月13日、茨城・笠間市生まれ。17歳。母の影響で11歳から本格的にゴルフを始め、13年関東ジュニア選手権2位。中学2年で国内男子ツアー48勝の中嶋常幸が主宰する「トミーアカデミー」の1期生に。14年日本ジュニア2位。15、16年世界ジュニア選手権優勝。15年国体女子V。16年日本女子アマ2位。16年全米女子アマ8強。158センチ、61キロ。家族は両親と妹。

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