松山英樹、不退転の決意「自信は少しないですけど、優勝を目指してきている」


練習ラウンドを行った松山(ロイター)

 ◆米男子プロゴルフツアー第81回マスターズ(6日開幕、米ジョージア州オーガスタナショナルGC)

 【オーガスタ(米ジョージア州)4日=榎本友一】米男子プロゴルフツアーの今季海外メジャー初戦、マスターズは6日から4日間、当地のオーガスタナショナルGC(7435ヤード、パー72)で行われる。世界ランク4位で4年連続6度目の出場の松山英樹(25)=LEXUS=は、14年以来4度目となる大会前公式会見に出席。ショットの不調を告白しながらも、経験を武器に「優勝を目指して」と不屈の闘志を燃やした。今大会でメジャー16戦連続出場となり、日本男子歴代単独2位に浮上する。

 周囲の高まる期待に反して、上がらない調子。松山は全てを受け止め、不退転の決意を持って夢舞台に挑むことを誓った。外国人記者を含め約30人の報道陣が集まった公式会見。今年から新しくなった会見場を真っすぐな視線で見渡しながら言葉を紡いだ。「(日米ツアーで4勝した)去年に比べたら調子はすごく落ちています。それでも(前戦の)2週間前からは少しずつ良くなっていると思うので、楽しみな部分は多いと思います。状態が悪いので、自信は少しないですけど、優勝を目指してきている」

 毎年同じコースで開催される唯一の海外メジャー。日本人初の2年連続トップ10入り中だ。15年は5位で昨年は7位。「去年、一昨年は絶好調ではなかったけど、いい流れでプレーができたのがトップ10の形になった。毎年来ている経験が生きていると思うし、ここにいったらいけないとか、ここに落とせば寄ってくれるとかは、大体わかってきている。そういう経験は大事」。海外メジャー全体でも、13年全米オープン以降16大会連続出場で、多くの悔しさを糧にしてきた。

 断続的な雷雨に見舞われた3日はコース近くに借りた家で静養。4日は谷原と18ホールの練習ラウンド。10番から出て、ドライバーなどでのティーショットは、手を離すシーンや右に曲げて打ち直す場面が相次いだ。11番では、得意のアイアンでの第2打をグリーン左の池に入れるなど、世界屈指の精度を誇るショットの不調は明らか。とはいえ「2週間前よりも良くなってきている」と前向きに話し、ラウンド後も気温29度の日差しの下、約2時間練習場で黙々と打ち込んだ。

 4日、予選ラウンドの組み合わせが発表された。米ツアー屈指の人気者リッキー・ファウラー(米国)とラッセル・ノックス(英国)と同組に「リッキーは最近調子良いので、その流れについていきたい」とうなずいた。今季2勝で日本男子最高タイの世界ランク4位。日本男子初のメジャー制覇への期待はかつてないほど高い。「(勝ちたい欲は)年々増えていると思う」と松山。世界の頂点に挑んできた経験を武器に、日増しに調子を上げて優勝争いに食い込んでいく。

 ◆松山の最近2年のマスターズVTR

 ▼15年 直前大会のアーノルド・パーマー招待は21位。開幕前日には「まだ自分の状態がもう少し」と発言し、第1Rは71で18位発進。第2Rは2番で初イーグルを奪うなど70で12位浮上。第3Rは30パットと苦戦しつつも70で10位。最終Rはベストスコア66をたたき出し、日本人最少スコアの通算11アンダー。日本人初の3日連続のイーグル、4日連続アンダーパーなど記録ずくめの5位となった。  ▼16年 直前大会のデル・マッチプレーは1次リーグ敗退(18位)。開幕前日は「普通ですね。期待半分、不安半分で臨めるかな」とコメント。第1Rは強風の中、71で自己最高の13位発進。第2Rは29パットとグリーン上で粘って72で5位へ浮上。第3Rも強風に耐えて72と粘り、2差3位と首位に肉薄。最終Rは前半のミスでつまずき、後半もチャンスでパットを決めきれず、73で通算イーブンパーの7位で終えた。

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