誰よりも「気持ち」で戦ってきた…歴代番記者が見た宮里藍の素顔


7日のサロンパスカップ、ホールアウトして笑顔を見せる宮里藍

7日のサロンパスカップ、ホールアウトして笑顔を見せる宮里藍

 5月のサロンパスカップで久しぶりに藍ちゃんに会った。「あれ? 何か、きれいになった?」なんて声をかけられ(もちろんお世辞だろうが)、今年一年は頑張れそうだと心の中でガッツポーズした。あの時すでに引退を決めていたのか…。もっともっと、一打を脳裏に刻むべきだった。

 主戦場を米国に移していた09年、ゴルフ担当になった。第一印象は「顔ちっちゃ!」。実物はテレビで見るより美しかった。日本ツアーへ戻ると、他の後輩女子プロに「頑張ろうね」と笑顔で声をかけた。「頑張ってね」ではなく、一緒に「頑張ろうね」。この言葉こそ藍ちゃんの温かさだ。

 彼女が20代後半に差し掛かった頃、コースの片隅でフィジカルとメンタルについて会話を交わした。ベテラン男子プロが「年がいくと体より気持ちが先にやられる」と漏らしたのがきっかけ。「私は絶対に体が先。気持ちは大丈夫」と即答したのが忘れられない。誰より「気持ち」で戦ってきたゴルファーだった。引退表明は気力が大きな理由ではないだろうか。(09~14年担当・高木 恵)

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