◆米男子プロゴルフツアー 海外メジャー第2戦・全米オープン第1日(15日、米ウィスコンシン州エリンヒルズ=7741ヤード、パー72)
【ミルウォーキー(米ウィスコンシン州)15日=浜田洋平】世界ランク4位の松山英樹(25)=LEXUS=は1イーグル、4ボギーの74で回り、2オーバーの82位と出遅れた。5度目の出場で大会初イーグルをマークしたが、全米オープン&今季自己ワースト発進。絶不調のパットが足を引っ張り、ラウンド後は猛練習で復調に励んだ。世界ランク9位のリッキー・ファウラー(米国)が7アンダーで単独首位。
一日が長かった。松山は17番で4メートルを外してボギー、2番は2メートル半から2パットでパー、3番は3メートル弱が入らず落とした。パット不調の理由を問われ「それが分かっていたら入っている。(心境は)最悪です」。首位と9打差の2オーバー。初日82位は、予選落ちした昨年大会の67位を下回る大会ワースト、4月のマスターズ54位よりも悪い今季最低の幕開けだ。
スーパーイーグルも不発に終わった。15番、残り104ヤードの第2打。52度ウェッジを振り抜くと、高く上がったボールはピン左奥5メートルに落ち、傾斜を伝ってカップに消えた。約300人が座るグリーン横の観客席は、静寂から一気に沸騰するような大歓声。自身大会初、海外メジャー7度目のイーグルに両手を広げて喜んだが「よかったのはそれだけ」と、続く16番で3メートルのチャンスを外し、わずか十数分の間に勢いを失った。
もがき苦しんでいる。ラウンド後は練習場に直行。すると、近くで宮里優作の練習を見ていた父・優さん(71)から軽く助言をもらった。東北福祉大4年時には沖縄・名護市に出向いて2日間教わった間柄。松山のバッグを担ぐ進藤大典キャディー(36)の要望で、優さんは「ミート率が大事」と藍のようなゆったりとしたバックスイングや、グリップの修正などを勧めた。「世界一のパット」と称された藍と同じ技術。ショートパットを何百球と打ち続け、谷原や他の外国人選手にもヒントを求めた。気温30度で焦げるような強い日差しの中、気づけば2時間15分がたっていた。
昨秋からツアー外競技を含めて日米5勝。パットが入る時に勝ってきた。同組で回った首位のファウラーとは9打差。この日はショットも乱れたが、前日までキレキレだった調子に戻せば爆発もある。「もう終わったことなので、あしたベストを尽くすだけ。一つでも順位が上げられるように頑張りたい」。暗闇を抜けた先で、強い松山がよみがえる。
◆全米オープンの初日終えて9打差からの逆転V
過去116年の大会で、初日に9打差をつけられた選手の逆転優勝は1度。サンフランシスコのオリンピッククラブで開かれた1955年大会。ジャック・フレック(米国)が初日に6オーバーの76と出遅れたが、最終日67をマークし通算3オーバーでベン・ホーガン(米国)と並んで翌日の18ホールのプレーオフへ。競り勝って初のメジャータイトルを手に。