【全英オープン】松山、自己最高68発進 3差12位…担当記者が見た


第1ラウンド、17番でバンカーショットを放つ松山。2アンダーの12位と好発進(ロイター)

第1ラウンド、17番でバンカーショットを放つ松山。2アンダーの12位と好発進(ロイター)

 ◆男子プロゴルフツアー メジャー第3戦 第146回全英オープン第1日(20日・英ロイヤルバークデールGC)

 【サウスポート(英国)20日=榎本友一】6月の全米オープンで2位に入った松山英樹(25)=LEXUS=は4バーディー、2ボギーの68で回り2アンダー。メジャー初日の自己最少ストロークで首位と3打差の12位につけ、日本男子初のメジャー制覇へ好発進した。ジョーダン・スピース(米国)ら3人が5アンダーで首位。今大会を3年連続で取材している榎本友一記者が、松山の好スコアの要因を「見た」。

 松山の好発進は緻密な準備による必然に思えた。通算20度目のメジャーで全英は5年連続の出場。風が強く雨の多い気象条件に加え、フェアウェーやグリーンは硬い。今年は開幕前日まで好天で、初日の強風と天候の変化に苦しむ選手も多かったが、厳しいリンクスコースでの経験が松山を支えていたように見えた。

 私が取材した過去2年の全英初日は、同組となった優勝候補のマキロイ(英国)やスピース(米国)ら強豪がスコアを伸ばすのを意識し、課題のパットを決めきれなかった印象が強かった。ただこの日は7番の第1打で冷静に風を読んで左1・5メートルにつけバーディー。同組で首位発進した全米オープン王者ケプカ(米国)に関しては「いいプレーをしていたので、あまり見ないようにしてやっていた」と話した。世界ランク2位。積み上げた地位と自信が、周囲の状況に一喜一憂しない精神状態につながった。

 昨年までは時差ボケの影響もあったが、今年は前戦から2週間を英国で過ごし万全の体調で臨んでいる。開幕前日に練習Rをともにした宮里優作(37)は「英樹は全英用のマネジメントができている。ここに来るんだろうな、ということを想定してリアリティーのある練習をしていた」と明かした。ティーショットは大半のホールで2本のクラブを打ち分けた。グリーン周りではパターとウェッジで様々なアプローチを試していた。

 「ショットが真っすぐ行っていないとパーを取るのも簡単じゃない」と臨んだ初日は7ホールでドライバー、9ホールでアイアン、2ホールで3ウッドを握りフェアウェーキープを優先。全体10位で72・2%のパーオン率と4バーディーにつなげた。6月の全米オープンまでメジャー初日の平均スコアは71・84と最も苦手。コースを知り、尻上がりにスコアを上げるのが松山流だ。“鬼門”の初日をクリアし、得意の2日目と最終日に爆発できれば悲願のメジャータイトルに手が届く。(ゴルフ担当キャップ)

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