藍、泣いちゃった 米国最終戦5位「一生記憶に残る」


 ◆米女子プロゴルフツアー ポートランド・クラシック最終日(3日、米オレゴン州コロンビアエッジウオーターCC)

 今季限りで引退する宮里藍(32)=サントリー=は6バーディー、1ボギーの67と伸ばして通算13アンダーで、米国最終戦で今季最高の5位に入った。

 14日開幕の自身最終戦、エビアン選手権(フランス)でのメジャー初制覇に向けて弾みをつけた。8位から出た畑岡奈紗(18)=森ビル=は71で、10アンダーで自己最高の15位。横峯さくら(31)=エプソン=は21位、上原彩子(33)=モスバーガー=は55位だった。ステーシー・ルイス(32)=米国=が、20アンダーでツアー3季ぶりの12勝目。

 異例の温かい演出で、12年間戦ってきた米国での大団円を迎えた。藍の米国最後のラウンドは、得意のパットを武器に6バーディーを奪取。全盛期をほうふつとさせる見事なゴルフで昨年3月以来のトップ5入り。最終18番グリーンに向かう際には2010年大会を制したこと、米ツアーの戦績、世界ランク1位についたことなどが次々にアナウンスされた。藍は「びっくりした」と笑みを浮かべ、大きな拍手に手を振って応えた。

 前半は圧巻だった。1番でピン1メートル半につけて伸ばすと、4番は1メートル半、5番は60センチとショットで攻め、7番まで4連続バーディー。9番では2メートルのパーパットもきっちり沈め、155センチと小柄ながら、米ツアー9勝を挙げた強さや技術を思い起こさせた。

 幼少時から強く憧れた米ツアーに06年に本格参戦。苦楽を味わった米国でのラストラウンドを終えた藍を盟友・横峯が出迎えた。「お疲れさまでした」と声をかけられ、肩を抱き合う。そろって67の好スコアに「良かったね」と手を合わせ、健闘をたたえ合った。藍は「楽しいことばかりじゃなかったけど、思い残すことは1ミリもない」とすがすがしい表情を浮かべた。

 大会関係者から花束も贈られ「すごくうれしかった。たくさんの拍手をもらって終えられ、本当に幸せ」と目を潤ませた。14日から現役最終戦に挑む。09年に米ツアー初勝利を挙げた「特別な思いのあるところ」だ。「このままの流れでいきたい」と、悲願のメジャー制覇で有終の美を飾る。

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