畑岡奈紗、樋口久子以来40年ぶり連覇へ王手


15番、ラフから第3打のリカバリーショットを放つ畑岡奈紗。通算13アンダーで単独首位に立った(カメラ・今西 淳)

15番、ラフから第3打のリカバリーショットを放つ畑岡奈紗。通算13アンダーで単独首位に立った(カメラ・今西 淳)

 ◆女子プロゴルフツアー 国内メジャー第3戦 日本女子オープン第3日(30日、千葉・我孫子GC)

 第2ラウンド(R)の残りと第3Rが行われ、昨年大会で史上初のアマチュア優勝を果たした畑岡奈紗(18)=森ビル=が6バーディー、2ボギーの68で回り、通算13アンダーで2位から単独首位へ浮上。1976、77年の樋口久子以来40年ぶり2人目の連覇に王手をかけた。ともに韓国の金楷林(28)=LOTTE=、申ジエ(29)=スリーボンド=が2打差の2位。

 劇的なアマVから1年後、畑岡がプロとして再び歴史的快挙に迫った。力強いショットにパットもさえ、唯一3R連続で60台を並べた。2位に2打差をつけて40年ぶりの今大会連覇に王手。「この3日間は思い切り振り抜けている。明日は、順位は考えずに目標スコアの20アンダーを目指したいです」と冷静にうなずいた。

 実力者の金楷林、申との最終組。大勢のギャラリーを引き連れたが「緊張はなかった」と序盤3ホールで“ロケットスタート”を決めた。1番で3メートル半のバーディーパットを沈めて単独首位に浮上。2番は137ヤードからの第2打を8アイアンで左1・5メートルにつけ、3番は第3打をピン上1メートルに寄せる3連続バーディーで後続を突き放した。

 「世界ランク1位」の夢を見据えた努力も欠かさない。前週にプロ初優勝したが、翌日から疲れも見せず今大会の会場に入った。毎週4日間は練習やラウンド後に約1時間、バーベルも持ち込んで下半身や体幹などの筋トレを続けている。

 アマチュア日本代表のトレーナーで3年間、畑岡を見てきた栖原(すはら)弘和氏(32)が連日、約1時間のマッサージを施す。昨年の優勝を支え、この日のラウンド後もケアした栖原氏は「トレーニングは世界一を目指す、という本人の希望です。1年で筋量が増えて筋肉も大きくなって、ほぐすのに時間がかかるようになりましたね。今は筋肉のキレは最高の状態です」と明かした。

 第1Rの残りと第2Rの計26ホールを戦った29日は、1年前と同じく焼き肉で栄養補給。4打差5位から大逆転Vを飾った前年とは異なり、逃げる立場だ。「2打差はあってないようなもの。(連覇は)あまり考えていない。目標を達成するためにやりたい」。飛距離と弾道の高さが増したショットを武器に、新たな伝説を刻む。(榎本 友一)

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