石川遼、松山&中島と練習Rで本番さながらの緊張感「あえて目立つ組に入れてもらった」


練習ラウンドを一緒に回り、並んで歩く(左から)松山英樹、石川遼、中嶋常幸(カメラ・矢口 亨)

練習ラウンドを一緒に回り、並んで歩く(左から)松山英樹、石川遼、中嶋常幸(カメラ・矢口 亨)

 男子プロゴルフツアーのダンロップフェニックスは16日から4日間、宮崎・フェニックスCCで行われる。自己最悪の5戦連続予選落ちと苦しむ石川遼(26)=カシオ=は14日、ツアー通算48勝の中嶋常幸(63)=静ヒルズCC=、世界ランク4位の松山英樹(25)=LEXUS=と練習ラウンド9ホールで調整。直談判で緊張感のある組に飛び込み、本番を想定した雰囲気の中で復調の兆しを見せた。

 なりふり構わず飛び込んだ。石川は中嶋、松山とともに報道陣ら約60人の大所帯を引き連れてラウンド。「中嶋さんに見られて緊張感がある。今の成績だと、陰に隠れて見られたくないってなりがちだけど、あえて目立つ組に入れてもらった」。レジェンドと大会最注目の松山に挟まれ、本番さながらにプレーした。

 練習でできたことが、重圧のかかる試合でできない。そんな課題を埋めるためだ。開幕2日前の練習ラウンドは若手を誘うか、1人で回ることが多く、よほどの仲でない限りトッププロ同士が一緒に回ることは少ない。「今の成績でこの2人と回るのは普通の考えじゃない」と思いながらも、一緒に回る予定だった2人に勇気を出して直談判。不振のドライバーショットはパー3を除く7ホール中6度、フェアウェーを捉え「この組でここまでできたのは収穫」と狙いがハマった。

 最近はスイング時に頭が前後にブレる癖を修正。先週、旋風を巻き起こした10年前の映像を見返して気づいたことだ。「あの時みたいになりたいんじゃなくて、一番良かった時より良くなりたい」。新しい「石川遼」になるための努力が、この日は実った。中嶋に最近1か月の取り組みを話すと「ピースが一つハマれば、いろいろなものが合ってくる。もう少しだな」と背中を押してもらえた。

 松山ともティーショットの落とし場所を確認しながらプレー。クラブや芝の刈られ方などの細かいゴルフ談議ができた。「練習より試合で何倍もよくなるのが英樹のいいところ。英樹とやって今の自分が分かる」。かつてのライバルと大きく開いた差を素直に受け入れている。予選ラウンドは中嶋と同組に。「また2日間、中嶋さんに見ていただける。楽しみ」。過去最大のスランプ脱出へ、最後のピースを埋める。(浜田 洋平)

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