石川遼、7位に急浮上 5打差大逆転Vで日本S滑り込む


通算6アンダーの7位に浮上した石川遼。9番でティーショットを放ち笑顔で打球の行方を見る(カメラ・谷口 健二)

 ◆男子プロゴルフツアー カシオワールドオープン第3日(5日、高知・Kochi黒潮CC)

 38位から出た石川遼(26)=カシオ=が7バーディー、1ボギーの今季ベストスコア66で回り、通算6アンダーで首位と5打差の7位に浮上。自身初となる所属先の主催大会Vなら、中嶋常幸(28歳333日)が持つ最年少での通算15勝達成を更新する。優勝で出場権を得る最終戦のメジャー、日本シリーズJTカップ(30日開幕・東京よみうりCC、報知新聞社主催)への“滑り込み”出場にも意欲を示した。

 復調気配とともに、石川の日本シリーズ出場へ光が見えた。「手応えが日増しに良くなっている」というショットに、5年ぶりに投入したピン型パターがハマり66で5打差7位へ浮上。「優勝すれば無条件で出られるのか。もう1試合やりたい」。2年前に制したメジャーの出場権はなく、4年連続切符獲得へラストチャンスが到来した。

 10番スタートの“裏街道”ながら、500人以上の大ギャラリーを引き連れて連続バーディー発進。15、1番で4メートル。6、7番でも5~6メートルを沈めた。今大会のドライバー飛距離は全体4位の287・17ヤード、パーオン率も同2位の79・63%とかみ合った。国内自己ワーストの5戦連続予選落ちを喫した2週前は「練習場と試合で別人になる」と繰り返したが、大幅なスイング改造によるショットの不調から脱した。「先を見据えて取り組む」中で、到達点の5~6割まで来たことを明かした。

 2年前は最終日に逆転を許して1打差2位に終わったホスト大会。13年1月まで所属したパナソニック時代を含めて、初の所属先主催大会Vだけが最終戦への扉を開く。「いいプレーをして恩返ししたい」。26歳70日での15勝目なら中嶋常幸の最年少記録も更新する。

 逆転Vに向け「2日目の時点から諦めていない」と強気に言った。「この(優勝争いの)位置で自分が今取り組んでいることをやってみたい」。10年中日クラウンズでは最終日に「58」を出して6打差18位から大逆転した実績もある。ホールアウト後はショット練習を約1時間40分こなし、最後は入念にパットを転がした。今大会の最終日を、17年最後のラウンドにするつもりはない。(岩原 正幸)

 ◆石川の最終日逆転優勝 日本ツアー通算14勝のうち4勝。アマチュアだった07年マンシングウェアKSBカップは4差9位、08年マイナビABC選手権は3差3位、14年長嶋茂雄招待セガサミーカップは2差3位から。10年中日クラウンズでは6打差18位から12バーディー、ボギーなしで(当時)世界最少スコアの58をたたき出し逆転した。

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