鈴木愛、2勝目も反省「50点」


今季2勝目を挙げ、優勝カップを手に笑顔を見せる鈴木愛(カメラ・渡辺 了文)

今季2勝目を挙げ、優勝カップを手に笑顔を見せる鈴木愛(カメラ・渡辺 了文)

 ◆報知新聞社共催 女子プロゴルフツアー スタジオアリス女子オープン最終日(8日、兵庫・花屋敷GCよかわC)

 首位から出た昨季賞金女王の鈴木愛(23)=セールスフォース=が、3バーディー、1ボギーの70で回り、通算10アンダーで今季2勝目となる通算7勝目。早くも自身最多を更新する年間3勝に王手をかけた。76位で終戦した前週の海外メジャー今季初戦の屈辱を3週ぶり国内ツアーにぶつけ、2位に自身最大4差をつける圧巻V。不在の間に海外勢の連覇を許した日本選手に「ガッツのある選手が出てきてほしい」とハッパをかけた。

 鈴木は煮え切らない顔だった。今季出場4戦で全てトップ3に入り、自身最速の今季V2にも「こんなに早く2勝できるとは思ってなかった。優勝はうれしいけど、課題の残るラウンドばかりで。(自己採点は)50点かな…」と納得しなかった。

 前週の米ANAインスピレーションの惨敗で大海知って己を知った。「あれだけ練習しても下手だなと。いまの本当の自分の実力」と思い知り、ムチを打って3週ぶりの国内ツアーに挑んだ。3日に帰国し休む間もなく4日に現地入り。大会中も午後6時まで居残り練習し宿には午後9時に戻るストイックの鬼となった。

 米国で不安を抱えた1~2メートルのショートパット対策にパターを替えた。初日の荒天を含め、ボギーは3日間で2個だけと抜群の安定感。しかし求めるゴルフが“米国基準”だけに自己評価は「最小限」と厳しい。

 対抗馬不在で火が付いたのが4番。同組の葭葉(よしば)が約20メートルのチップインバーディーを決めると意地が爆発。「ここが勝負所だと思った」と、5メートルを沈めるバーディー返しで寄せ付けなかった。

 米ツアーへの本格挑戦は「気持ち2割」と語った。「無謀な挑戦するよりかは今の実力のスキルアップをしないと」と現実を痛感。その流れで、自身が不在の間に海外勢の連覇を許した日本勢に注文を付けた。「私は絶対負けたくない気持ちが強いのですごく戦ってる。(上田)桃子さんが賞金女王を取った時みたいにすごくガッツのある選手が出てきてもいい。日本ツアーを盛り上げるためにもみんなとバチバチし合いたい」とハッパをかけた。(小河原 俊哉)

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