国内男子プロゴルフの5月の日本ツアー選手権森ビル杯プロアマ戦で、ツアー31勝の永久シード保持者・片山晋呉(45)=イーグルポイントGC=が同組の招待客に対して不愉快な思いをさせ、プレーを断念させた事態が発覚した。男子ツアーを主管する日本ゴルフツアー機構では調査委員会を設け、今月中に懲戒・制裁委員会を開いての処分を検討している。
騒動発覚後、初めて公の場に姿を現した石川遼選手会長(26)=カシオ=は14日、宮城・仙台市内で、プロアマ戦への持論と再発防止に向けた研修などの導入案などを厳しい表情で語った。
選手会復興支援・車両寄贈式後、片山の騒動への言及は避けたが、プロアマへの自身の考えを口にした。「一プロゴルファーとしての僕の思い」と前置きした上で「プロアマにホスピタリティーや接待というのもあると思いますけど、根本的に一緒にゴルフをやる人とコミュニケーションがなかったり、1ラウンド5時間も一緒にいて、楽しんでもらえないことは、あってはならないと思う」と話した。
「ゴルフは1人で18ホール回っても成立しない競技。マーカーやスコアラーなど複数の人がいないと。ゴルフは誰かと一緒に回るからこそ楽しい。自分が楽しくなきゃ、一緒に回る相手も楽しくない。同組の3人、4人みんなで楽しく回れてこそ、初めて1日のゴルフが楽しくできると思う。最近は自分のことで精いっぱいになっちゃってて、そこに気付かなくなっちゃってきていると感じます」と思いを熱く語った。
今年1月に選手会長に就任。今年度の事業計画にファンサービスの向上や選手の意識向上を掲げてきた。「プロはアマと違ってゴルフで生活している。対戦相手からお金を取るわけではなくて、トーナメントに対して(お金を)出してくれる人がいる。ファンが全ての根幹。そういう仕組みを教えていくことがファンサービスやプロアマ、ホスピタリティーの質向上につながっていく」とうなずいた。「年々、ゴルフ人口やファンは減っているが、男子ツアーの試合数はそんなに大きくは減っていない。むしろスポンサーさんに感謝しなくちゃいけないと思う。長くツアーを応援して下さっているファンの方にも、恩返しをしなくちゃいけない」と熱い思いを口にした。
世界最高峰の米ツアーでのプレー経験もあり、今後の再発防止策についてもアイデアを持っている。「会社の新人教育と同じだと思う。ノウハウとして、プロアマやファンサービスをこうしていきましょうというものが、より広く共有しやすい。具体的に言語化して後の世代に残していきたい。PGA(米ツアー)の研修では『なんで自分達がゴルフでお金をもらえるのか』を徹底的に教えてもらえる。日本でもプロテストに受かったらPGA(日本プロゴルフ協会)で講習を受けるが、QT(予選会)を通過した選手に2年間の講習を科すとかを、JGTO(日本ゴルフツアー機構)と選手会で協力して徹底してやっていかないと」と自身の経験も踏まえ、ツアーの向上と発展に向けて持論を展開した。