◆女子プロゴルフツアーメジャー第2戦 日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯最終日(9日、富山・小杉CC=6605ヤード、パー72)
韓国の申ジエ(30)=スリーボンド=がメジャー3冠を達成し、史上初のメジャー4大会制覇となる「生涯グランドスラム」に王手をかけた。強風と雨の最終日は5バーディー、1ボギー、全選手唯一の60台となる68で初日から首位を譲らない完全優勝。大会史上3番目となる2位に9打差をつける圧勝で、国内ツアー通算20勝を飾った。賞金ランクも首位に浮上し、史上初の日米韓3ツアー賞金女王に近づいた。
次元が違う強さで追随を許さなかった。序盤の5ホールで3つ伸ばして独走した申は、降雨によるコース状態不良で1時間3分の中断後の18番もパーセーブ。4日間での大会最多アンダーパーを更新する16アンダーを記録し、「このタイトル(選手権)を取りたかった」と喜んだ。5日のプロアマ戦は9ホール終了後に左肘痛で棄権し、富山県内の病院へ直行した。医師から「3週間のプレー禁止」を言い渡された中で、痛み止めを服用しての強行出場だった。
15年のLPGAツアー選手権リコーカップ、今年5月のワールドレディスサロンパスカップに続くメジャー3勝目。08年にワールドレディスサロンパスカップがメジャーに昇格して以降、日本女子メジャーは4試合になったが、4冠達成者はいない。3週後の日本女子オープン(27日開幕、千葉・千葉CC野田C)では史上初となる生涯グランドスラムに挑戦する。「昨年2位の良いイメージを持って優勝したい」
賞金ランクは鈴木らを抜いて首位になり、06~08年韓国、09年米国に続く賞金女王も現実味を帯びる。申は優勝賞金(3600万円)の一部を日本女子プロゴルフ協会と今後相談した上で「地震、台風の被災地に寄付したい」と語った。(岩原 正幸)
◆申ジエの主な記録
▼4日間での最多アンダーパー(16アンダー) 07年大会の飯島茜の14アンダーを2打更新。3日間では79年岡本綾子の17アンダーが最多。
▼メジャー連勝 16年LPGAツアー選手権リコーカップ&17年ワールドレディスサロンパスカップのキム・ハヌル以来、9人目。2週連続Vとの同時達成は4人目。
▼歴代最多に並ぶメジャー3冠 達成者は不動裕理、福嶋晃子、諸見里しのぶ、テレサ・ルーらで、申は10人目。2冠は樋口久子、岡本綾子、宮里藍、イ・ボミら15人。