鈴木愛、賞金女王再逆転へ6アンダーで首位発進


初日6アンダー首位タイの好スタートに笑顔を見せる鈴木愛(カメラ・豊田 秀一)

初日6アンダー首位タイの好スタートに笑顔を見せる鈴木愛(カメラ・豊田 秀一)

 ◆女子プロゴルフツアー マンシングウェア レディース東海クラシック(14日、愛知・新南愛知CC美浜C)

 昨季賞金女王の鈴木愛(24)=セールスフォース=が、得意のパットがさえて66で回り、香妻琴乃(26)=サマンサタバサ=と並んで6アンダーで首位に立った。現在、賞金ランク3位の鈴木は今大会で優勝すると、右手首痛で欠場のトップの申ジエ(韓国)を上回り、再び首位に躍り出る。3位は新垣比菜(19)=ダイキン工業=。昨季、16歳で日本女子アマを制した女子高生の安田祐香(17)=兵庫・滝川二高3年=が首位と4打差9位と好発進した。

 ガッツポーズが幸先良く飛び出した。鈴木は1番パー4でピン右横に寄せると、4メートルのパットを難なく沈め、右手で拳を握った。「イメージを出すとショートになるので、出さずに打った。ミドルパットが良かった」。2か月休んだパターの名手の感覚が戻ってきた。6バーディーボギーなしと、同組で回った新垣が「(鈴木は)パターがどこからでも入る」と脱帽する技術を見せた。

 ティーショットが決まり、グリーンへのショットも安定していた。1番は残り164ヤードの第2打を5番ウッドで4メートルにつけてバーディーにすると、3番は1メートル、5番は6メートルにつけて好機を生かした。パットも好調で、後半も3バーディーと勢いが止まらなかった。

 右手首痛で7月上旬から戦列を離れ、先週の日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯で9戦ぶり復帰。初日に2アンダー70とまずまずのスタートを切ったが、3日目に5パットなどで75をたたき、最終結果は26位。賞金ランクも、優勝した申ジエとアン・ソンジュに抜かれて3位に後退した。「今(けが明け)の実力なのに1つでも伸ばしたいと欲が出た」と猛省した。

 今週は「練習して少しでも取り戻したい」と振り込んだところ、痛みが悪化した。「試合中でもスイングした後に痛いなと感じることがある」と深刻だ。今後は1度の練習で100球以内、一日最大150球までしか打たないという球数制限を設ける。「もうちょっと減らしていけたら痛みも治まるかな」と、練習量を抑え、実戦と並行しながら完治を目指す。

 今季は首位発進した3月のTポイントレディスなど過去3度は、いずれも優勝。好スタートを切った昨季の女王は「1日1日を考えるのではなく、残り2日を計算してしっかりアンダーを出していかなければならない。毎日(スコア)60台を目標に」と冷静に語った。優勝で賞金ランクの首位奪還を狙う。(宮下 京香)

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