美人プロゴルファー・三浦桃香(19)=フリー=の人気は、そのキュートなルックスだけが理由ではない。女子プロゴルフツアー富士通レディース第1日(千葉・10月12~14日)、三浦は68の5アンダーで初日を終えて、2位と好発進した。
8月のNEC軽井沢72で56位に終わって以降、この大会まで7戦連続予選落ち。シード権獲得はもちろん目標だが、まずは自分のゴルフを取り戻すことに集中していた。母・恭子さんは「悔しい気持ちが強いのか、毎日泣いて戦っている」と娘のプレーを見つめながら静かに語った。
そんな苦しい中でも、三浦は周囲への気遣いを忘れない。この日前半18番を終えてグリーンを後にするとき、三浦は突然立ち止まって後方に振り向いた。自身を追って列を作るギャラリーに頭上で両手を広げ「止まって、シーッ(静かに)」と合図。18番のグリーンのすぐ隣には1番があり、ちょうどアマチュアの安田祐香(17)=兵庫・滝川二高3年=がティーショットを打つ瞬間だった。 50代の男性ファンは「かわいいのはもちろんだけど、すごく優しい子だと思うよね」と指摘。後半4番、バンカーからのアプローチで約4メートルにつけた三浦に大きな拍手を送っていた。
一方で母は、娘を「すごく気を遣う。本人は、そういう性格がプロに向いてないんじゃないかと言っていた時期もあって…」と明かした。
第2日は賞金ランク首位のアン・ソンジュ(韓国)と同組だった。1番、三浦が第5打のパーパットのプレーに入った。最終組の一つ前の組で多くのギャラリーが駆けつけたこともあり、足音が絶えなかった。すると、アンが気を利かせて右手で「(三浦が)プレーに入るよ」と合図した。史上5人目の生涯獲得賞金10億円を突破したアンだって、周囲に気を配り素晴らしいプレーを見せる。三浦の性格は、実はプロ向きではないか。
6月にはプロテストに2度目の失敗。来季のシード権は逃すまいと、今は課題とするパターにひたすら励んでいる。「気がついたら日没で。ホテルに帰ってからもカーペットに棒を置いて、球を線に合わせて打ったりしている」。
この日も約200人のファンが、三浦の一打を食い入るように見つめていた。「勝てなくても応援してくれて、本当にありがたい」と母。今大会は27位に食い込んだが、翌週(10月18~21)のNOBUTA GROUPマスターズGCレディースでは予選落ちと我慢は続く。美人ゴルファー、いや、優しさにあふれた三浦の復調をみんなが待っている。(宮下 京香)