日本女子プロゴルフ協会(LPGA)のプレーヤーズ委員長を務めるツアー通算4勝の比嘉真美子(25)=TOYO TIRES=、同14勝の有村智恵(31)=日本HP=が19日、来季の試合数が36試合と2018年から2試合減ることに関する件で都内で取材に応じた。
放映権の帰属を巡る問題では、一括管理を主張するLPGAと日本テレビ系列の交渉が決裂し、来季のツアー日程から同系列が主催するKKT杯バンテリンレディス(熊本)、中京テレビ・ブリヂストンレディス(愛知)、ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン(宮城)の3試合が消滅する事態となった。メジャー初戦の5月、ワールドレディスサロンパスカップについても「LPGA選手権」の仮称で発表された。
これを受けて委員長の比嘉は「3試合が中止となり、減ってしまったことが昨日分かって、本当に残念で仕方ない。中京は長いこと開催してくださっていて、熊本と宮城は(大地震のあった)被災地。ゴルフで(被災した方を)元気づけられる大事な試合だったので、残念としか言いようがない」と話した。有村も「これだけ恵まれたツアーになっているのに、試合がなくなるのは大きなこと。中止の理由は全員が納得しているわけではない」と神妙な面持ちでコメントした。
プレーヤーズ委員会ではLPGAの小林浩美会長(55)以下、理事に対し、何度も説明を求めてきた。比嘉は「質問書を協会に出したけど、それに対しての回答も特になく、すっきりしないままツアーが終わってしまった印象」と残念そうに明かし「正直に言うと、開幕前に放映権問題(の情報)がLPGAではなく外から入って不安な気持ちのまま開幕した」と振り返った。
両選手によれば、10月と11月に質問書を2回に分けて出し、その中には「ゴルフ界の発展をどう考えているのか?」といった質問も含まれていたそうだが「それも守秘性が高い」(有村)として一蹴されたという。さらに、11月のTOTOジャパンクラシック開幕前に有村が理事の一人に時間を取ってもらい、話をする機会を設けたが、その理事から「放映権を帰属する動きなどない。今、出ている記事は全部うそだ」と言われたという。「目の前でこう言われて、昨日の発表があったのでショックだった。裏切られた」と不信感を口にした。
協会側とメールのやりとりをする中で「選手はいいプレーをして皆さまに笑顔を届けること」と回答されたといい「コミュニケーションが取りづらかった」と、比嘉は思いを打ち明けた。
今後について、有村は「中止になった3試合に対して協議を継続してもらいたい、と50人くらいの選手が賛同している。選手の声を(協会に)あげたり、何かしらの方法でできると思う」と強い思いを訴えた。