【セントーサ島(シンガポール)17日=岩原正幸】日本ツアー開幕戦は雷雲接近による中断で、156人中78人が競技を終えられなかった。3季ぶりの優勝を狙う石川遼(27)=カシオ=は5バーディー、3ボギーの69。“勝負の年”と位置づける国内本格復帰2年目はドライバーとアイアンを新調して臨み、暫定22位につけた。5アンダーで暫定首位の洪健堯(台湾)とは3打差。
新しいクラブとともに、石川が順調に滑り出した。ドライバー、アイアンを新調して臨んだ新年初ラウンド。開始10番で右バンカーからのアイアンショットを3メートルにつけ、バーディー発進した。18番パー5ではドライバーショットをフェアウェー中央に運び、3打目をピンそばに寄せて伸ばした。パットミスのあった後半に後退し「内容的には良くない」と厳しかったが、69で暫定首位と3打差の同22位につけた。
6年ぶりに国内ツアーを主戦場とした昨年、最年少選手会長に就任してツアー改革に乗り出したが、自身は賞金ランク22位でまさかの未勝利となった。だが、最終戦のメジャー、日本シリーズJTカップ(報知新聞社主催)でプレーオフに進出し2位と存在感を示し「(復調した)最後の1か月は本当に重要な期間だった」。
勝負と位置づけ「昨年勝てなかったので優勝したい」と覚悟を持って挑む2年目はドライバー、アイアンを昨年12月のツアー外競技から試した。「アイアン(キャロウェイ社のAPEX MB)は6年ぶりに替えたので大きい。打感、球筋、飛び方が好き」。商売道具の思い切った変更に決意が表れた。初日はスコアをつくり「いいショットが打てた時にチャンスを逃さず(バーディーを)取ることが大事」と前向きに語った。
2年連続でガルシア(スペイン)と同組でプレーし、同じ69と意地を見せた。昨年大会で圧勝した17年マスターズ覇者について「アジアの選手は歯が立たなかったが、将来的には(同じ舞台で)戦いたい。逃げずにやりたい」と話していた。
自身は昨年、第2ラウンドで首位に立ったが、失速して16位。「(2日目は)今日の悔しさをリベンジできるように」。簡単に満足しないのも高みを見据えるからこそ。全てがかみ合った時、復活優勝が見えてくる。