元ソフトボール投手20歳の渋野日向子、プロ初メジャー初V見えた


18番、豪快なショットを披露する渋野日向子。通算5アンダーで2位につけた(カメラ・相川 和寛)

18番、豪快なショットを披露する渋野日向子。通算5アンダーで2位につけた(カメラ・相川 和寛)

 ◆報知新聞社後援 女子プロゴルフツアーワールド・レディス サロンパスカップ 第2日(10日、茨城・茨城GC東C、6560ヤード=パー72)

 ソフトボール出身の渋野日向子(20)=RSK山陽放送=は1イーグル、2バーディー、プロ転向後初のボギーなしで68。アマ唯一出場の吉田優利(19)=日本ウェルネススポーツ大1年=とともに通算5アンダーで首位と1打差2位で決勝ラウンドに進み、大会最年少優勝(吉田優は19歳25日、渋野は20歳178日)が見えた。

 プロになって初メジャー出場の渋野が見せ場をつくった。最終18番パー5。残り228ヤードを3ウッドで2オン。ピン右手前4メートルにつけると、スライスラインのイーグルパットを沈め、歓声を浴びた。68で1打差2位に浮上。「難しいコースなので、このスコアが出るとは…自分でもびっくり」と笑顔を見せた。

 4月のKKT杯バンテリンレディスの第1Rは81で最下位も、第2Rは66と爆発し、予選を突破。最下位からの予選通過は史上2人目の快挙だった。「開き直ってピンばかり狙っていたら、だんだんスコアが良くなった」。翌週のフジサンケイレディスでも2位と20歳の快進撃は止まらない。

 小2からゴルフと並行してソフトボールにも打ち込んだ。ゴルフは右打ちだが、ソフトボールでは所属した岡山市・平島スポーツ少年団ソフトボール部の監督の勧めで小3から左打ちに転向。「おかげでバランス良く振れている」。アプローチにも投手として鍛えた下半身の動きが生きている。

 現在もオフの土日にOGとして少年団の練習に参加する。「ソフトはゴルフより好き。東京五輪決勝は絶対見に行きたい」。9日からチケット申し込みが始まったが、まだ済ませておらず、「早く申し込みしなきゃ」と笑った。

 メジャーで初優勝なら日本人では16年日本女子オープンを制した、同じ98年度生まれの黄金世代・畑岡奈紗(20)以来の快挙となる。12日の最終Rは母の日。「母は4月が誕生日だったけど、何もしてなかった」と苦笑い。今大会会場は筑波大陸上部で投てき選手だった両親が20歳ごろに過ごした場所の近くという。ソフトでは最速95キロ右腕が、大会史上最年少記録でのメジャー優勝を母に贈る。(宮下 京香)

 ◆渋野 日向子(しぶの・ひなこ)

 ▽生まれ、サイズ 1998年11月15日、岡山市生まれ。20歳。165センチ、62キロ。家族は両親と姉、妹

 ▽ゴルフ歴 8歳で始める。岡山・作陽高出身。昨年7月に2度目のプロテスト受験で合格。同12月の新人戦で3位。昨年は下部のステップアップツアー16戦で予選通過し、7度のトップ10入り

 ▽好きな有名人 EXILEの佐藤大樹(24)

 ▽スポーツ歴 ソフトボール。小2~小6まで続け、打順は主軸となる3、4、5番で、小4からは投手と二刀流選手だった。好きな選手は女子日本代表の上野由岐子(36)。小6で遠投58メートル、握力も50キロと怪力

 ▽今大会勝負飯 母・伸子さん(51)が大学時代に通った茨城・土浦市にある「鈴や食堂」。9日夜はほっけ定食を注文

最新のカテゴリー記事