女子プロゴルフで世界ランク5位の畑岡奈紗(森ビル)が今春、2020年東京五輪会場の埼玉・川越市の霞ケ関CC東Cを初めて視察ラウンドしたことが21日、分かった。日米ツアー通算6勝で、東京五輪日本代表入りがほぼ当確となっている20歳。1998年度生まれの「黄金世代」のエースが、自国開催での日本人初の五輪メダル獲得に向けて本格的に動き出した。
霞ケ関CC関係者によると、東京五輪日本女子代表候補選手としては初の視察。複数の関係者によると、畑岡はアマチュア日本代表のガース・ジョーンズ・ヘッドコーチ(HC、47)=オーストラリア=らとともに2日間にわたり、五輪会場を下見したという。コースのスタッフらも立ち会いの下、畑岡は恩師のガースHCと入念にショットの落とし所や、グリーン周りなどを確認した。
畑岡が同コースを回るのは、2位となった14年8月の日本ジュニア女子15~17歳の部以来。「懐かしいですね」などと笑顔も見せていたという。同コースは15年10月から17年4月にかけて、美しい赤松が立ち並ぶ特徴を残しながら国際ゴルフ連盟の求める世界的な基準の距離と難度を目指し、世界的設計家トム・ファジオ氏(米国)の手によって全長7466ヤード、パー71に改修された。17年4月、男子五輪代表入りが濃厚な松山英樹(LEXUS)が最初に視察プレー。日本勢2番手の今平周吾(フリー)も今年に入って下見。女子代表候補選手の視察は、昨秋のリディア・コ(ニュージーランド)に続く2人目だという。
畑岡は昨年6月、日本女子10人目の米ツアー初優勝を最年少で遂げた。「東京五輪に出場してファンに感動を与えたい」と意気込む。地の利も生かし、日本人ゴルファー初の金メダル獲得への準備を整えていく。
◆霞ケ関カンツリー倶楽部 1929年、埼玉・霞ケ関村(現川越市)に東Cがオープン。32年に西Cが増設され、日本で初めて36ホールを有した。設計は東Cが藤田欽哉氏、赤星四郎氏。西Cが井上誠一氏。戦後、米軍に接収されたが52年に復旧。57年にカナダカップ(現W杯)が東Cで行われた。日本オープンは33年に東C、56年に西C、95年に東C、06年に西Cと計4回、日本女子オープンは99年に東Cで開催。10年に西Cでアジアアマが開かれた。
◆五輪のゴルフ 1900年パリ、1904年セントルイス大会で行われた後、実施競技から除外され、2016年リオ五輪で復活。リオ五輪は男女各60選手が参加し、72ホール・ストロークプレーで実施。男子はジャスティン・ローズ(英国)が金メダル。初出場した日本勢は池田勇太が21位、片山晋呉は54位。女子は朴仁妃(韓国)が金メダルで、野村敏京が4位、大山志保は42位だった。東京五輪も同方式で行われる。