日本オープンゴルフが16日から、千葉CC梅郷Cで行われる。話題は世界ランク2位のアダム・スコット(34)=オーストラリア=の参戦だ。フラッグシッププレーヤーの来日に合わせるかのように、タイトリストから11月中旬より「915」シリーズのドライバー、FW、ユーティリティーが発売される。スコットもすでに使用している915の実力やいかに。オジサン記者が試してみた。
松山英樹、石川遼の不参加で盛り上がりが心配される日本オープン。昨年の記録的な低視聴率も頭をよぎるところだが、今年はアダム・スコットが来てくれる。昨年のマスターズチャンピオン。文句なしの世界のスーパースターだ。「楽しみだねえ」と話していると、広告の山崎がとんでもないことを言いだした。「A・スコットになってみませんか?」。もちろんシャレで以前、石川遼やジャンボ尾崎に「なってみた」という企画をやったことがあったが、よりによってアダム・スコット? 共通点はユニクロぐらいだよ。「いいじゃないですか、915、試してみたくないですか?」。そう言われて断れるゴルファーはいない。
場所は房総の名門、ザ・カントリークラブ・ジャパン。もともと戦略的なコースだが、富士フイルムシニアを11月に控えてラフを伸ばしていて、日本オープンとまではいかないが、かなり難しいセッティングになっている。
持ち込んだドライバーは460ccの915D2(9・5度、純正シャフト、S)と440ccのD3(9・5度、アッタスロックスター、7S)。913との違いはなんといっても「アクティブ・リコイル・チャンネル」と名付けられたソールの溝だろう。さまざまなメーカーが取り入れているが、ソールがたわんでボールを押し出すもので、「初速が増す」「スピンが減る」「エネルギー効率の向上」という3つのメリットがある。さらに、ライ角とロフト角の調整機能(通称・かちゃかちゃ)も付いて、いかにも最先端のクラブだ。
10番355ヤードパー4。D2で、ちょっと左へ引っ張ったかなと思った球は、左のセミラフ、残り90ヤードだった。フェアウエーが2段に分かれた16番374ヤードパー4は、キャディーさんに「目標に」と言われた右のケヤキを越えて、残り97ヤード。中弾道のボールがなかなか落ちてこない。
D3はさすがに反応がシビアだった。D2とは若干異なる厚みのある打感と高い金属音。ハードヒッターはこっちのほうが好みかもしれない。
思えば905や907シリーズは、はっきり上級者向けのクラブだった。飛距離よりも、高い操作性でプロやトップアマに人気があった。それが、915はその特性は生かしたまま、飛距離も狙って見事に両立させている。「ビックリするぐらい、簡単ですよね」。お前が言うか山崎!というセリフだが、確かにその通り。もともとのタイトリストユーザーを意識して、洋ナシ型の顔は伝統を継承。かちゃかちゃのスリーブが、913やVG3と互換性があるのもうれしい。持ってるだけでうまそうに見えて、しかも易しい。これはそそるなあ。(鈴木 憲夫)