【岩垣貴栄のショートゲーム】「ショートパット」立体イメージにぶつけるつもりで


 前回まで、正しいアドレスと正しいフェースの使い方の重要性を学んだが、タッチが合わないとパットは入らない。特に1メートル前後のショートパットは、ジャストタッチで入れようとすると、芝目や傾斜に負けてリップする可能性が高くなる。

 

 「カップを平面(二次元)で捉えると、どうしても弱くなりがちです。カップが上に出ているような立体(三次元)のイメージを持ち、それにぶつけるつもりで打つと、ちょうどいい強さになります」。カップ上に円柱が突き出ているようなイメージ。それが難しければ、カップの縁にボールを置き、ビリヤードのようにパッティングでカップの中に落とす練習が効果的だ。その時に、打ったボールが、置いたボールと入れ替わるぐらいの強さで打つと、ちょうどいいタッチになる。

 

 タッチを一定にするには「手首を使って強弱をつけるよりも、左右対称の振り子運動の方がいいですね」。プロや上級者の間で太いグリップがはやっているのは、なるべく手首を使わないようにするためでもある。

 

 その「手首を使わない」で打つ感覚を、さらに明確に意識できるように岩垣プロが考え出したのが、「ドラムグリップ」だ。円盤状の発泡スチロールでグリップを形成。つまり握れなくするわけだ。そのドラムを両手で挟み、腹筋を使って打つ。ポイントは左右の手を平行に、高さも同じにすること。そうすることで、正しいアライメントで構えやすくなる。

 

 試してみると、ビックリするぐらい、腹筋がつらい。このきつさで打たないといけないとしたら、今までのショートパットは緩みきっていたことになる。「ドラムグリップ」は残念ながら商品化はされていない。家庭ではバスタオルでパターのグリップをぐるぐる巻きにして試してみてください。(取材、構成・鈴木 憲夫)=次回はバンカー編〈1〉です=

 

 ◆岩垣 貴栄(いわがき・たかまさ)1979年10月1日、奈良県生まれ。35歳。明大理工学部卒業。PGAティーチングプロA級。ジュニア指導員。指導の拠点は大阪・奈良(阪奈カントリークラブ、スポーツヒルズ大阪など)。レッスンのお問い合わせはスポーツヒルズ大阪TEL072・869・0171。

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