【岩垣貴栄のショートゲーム】構え方の違い理解して距離感磨け


 バンカーショットと同様、アプローチもおかしくなってきた。パンチが入って、距離が合わないのだ。「原因は練習不足ですね。ダフリやトップを怖がって、上からぶつけて終わりという打ち方になっているのでしょう。安定したストロークを身につけるには、繰り返しの練習で成功体験を増やすことが一番です」。その上で距離感を磨くには、バンカーショットと同様に、まず基本的な構え方の違いを理解する必要がある。

 

 長い距離のアプローチは、アドレスで、〈1〉ボールとの距離〈2〉スタンス幅〈3〉グリップの握り方―の3点が長く(広く、遠く)なる。短い距離は当然、この逆。〈1〉ボールに近く立って〈2〉スタンスは狭く〈3〉グリップは短く握る。よく、「距離感はクラブの振り幅で」というレッスン(例えば、9時から3時まで振ると何ヤードとか)があるが、プロや上級者は決して振り幅で距離感を出しているわけではない。打ちたい距離をイメージすると自然にアドレスが決まり、振り幅やスイングスピードも変わってくる。自分の構えを立体的にイメージして、打つ距離が長ければ大きく、短ければ小さく構える。振り幅やスタンスといった個別の要素ではなく、立体的なイメージを持つことが大事だ。

 

 「アプローチショットは小さな動きですが、大きなショットと同様、体重移動と軸を意識した回転が必要です。決して手先で打つのではなく、体幹からのエネルギーを末端に伝えるという感覚が大切です」

 

 バンカーショットの練習でも使用した「スイングガイド(スポンジでボールの両端に羽根を付けたもの)」を使うと、スイングの最下点と入射角がイメージできる。ピッチショットやピッチエンドランでは、最下点のイメージはとても重要だ。(取材、構成・鈴木憲夫)=次回もアプローチ編〈2〉です=

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