岩垣プロは、ティーチングプロアワードを受賞したショートゲームのレッスンのほかに、スイングの各ポジションにおける体の反応を分類し、「NP(ニュートラル・ポジション)理論」と名付けている。体の動きの平均値と、自分の動きの特徴を知り、その組み合わせを整えた練習をすることで、ショットが安定するという。
これだけを説明されても、何のことか分からないが、次の分類を当てはめていくと、自分のショットの傾向が分かる。
〈1〉飛球線に対するスタンスの向き=aクローズ、bスクエア、cオープン〈2〉アドレスのつま先の向き=aオープン、bニュートラル、cクローズ〈3〉アドレス時の体重のかかり方=aかかと、bニュートラル、cつま先〈4〉アドレス時の前傾角度=a浅い、bニュートラル、c深い〈5〉アドレス・インパクト時の正面軸の傾き=a右斜め、bニュートラル、c左斜め〈6〉グリップ=aフック、bニュートラル、cウィーク〈7〉スイングの軌道=aインサイドアウト、bニュートラル、cアウトサイドイン
上記の7項目はゴルファーの各ポジションの平均値とその動きから、3タイプに分類したもので、aはフック、bはストレート、cはスライスの要素を表している。aだけの人はフック、cだけの人はスライスで球筋の方向性は一定しているものの、曲がり幅は大きすぎるために、コントロールが利かない球になる。当然、スコアも出ない。しかし、もっと困るのがaとcが混在しているケースで、どちらの球筋も出てしまうため、さらにスコアメークには苦労する。
「bのニュートラルポジションだけの人が一番、良さそうですが、実はそうではありません。プロのように豊富な練習量でスイングがきっちりと固まっている人はいざ知らず、平均的なアマチュアレベルでは、bは簡単にaにもcにもなります。bを中心に適度にaが交じっている(ドロー)か、適度にcが混在している(フェード)人が、安定した球筋のゴルファーになります」。各ポジションにおける自分の動きを理解し、組み合わせを整えることが安定した球筋への近道だ。自分で判断できない項目もあり、奥さんや友人に見てもらうといい。さて、記者はどうだろう。「鈴木さんはですね、残念ながら…」。続きは次回。(取材、構成・鈴木 憲夫)
=次回最終回はNP理論〈2〉です=