バンカーショットの距離感が合わなくなってきた。以前はそれほど苦手意識はなかったのに、最近は時々、ホームランが出てしまう。さらに、それを怖がってのダフリ。「バンカー、アプローチなどグリーン周りのミスの原因は、ほとんどが練習不足です。(加齢で)思うように体が動かなくなってきているのなら、余計に練習の必要があるのですが、みなさん、ドライバーなどフルスイングの練習は熱心で…」と岩垣プロ。特にバンカーショットは自信を持って臨めるかどうかで結果がまったく違ってくる。
ボールのライ、砂質など状況によって求められるショットは変わってくるが、「まず距離に応じたアドレスの違いを理解してください」。落下地点が近い場合は、〈1〉オープンの角度は大きく〈2〉ハンドダウン〈3〉クラブは長く〈4〉スタンスは広く〈5〉入射角は鋭く〈6〉砂の量は多く(厚く)―なる。遠い場合は、各項目が逆になり、〈1〉小さく〈2〉ハンドアップ〈3〉短く〈4〉狭く〈5〉鈍く〈6〉少なく(薄く)なる。
ざっくりいえば、落下地点が近い(打つ距離が短い)場合は、ダフリやすい構え。遠い(距離が長い)場合は、ダフリにくい構えが必要だ。
この「入射角が鋭い(鈍い)」打ち方を、視覚的に体感しやすいように岩垣プロが開発したのが、「スイングガイド」だ。薄い発砲スチロールを、つぶれた六角形の形に切り出し、中央にボールより小さい穴を開ける。その穴にボールを置き、両側を両面テープ(か接着剤)でくっつける。この時の接着する箇所で、両サイドの羽根の角度が決まる。出来上がった形は、ボールの両側に翼が出ているように見える。この翼の角度が入射角で、ヘッドの通る道をガイドしてくれる。
距離の近いバンカーショットには、角度の急なスイングガイドをつけて打ってみる。上からドスンと入れると砂が深く取れて、ボールはあまり飛ばない。遠いショットはその逆だ。
バンカーショットは自信。距離に応じた構えさえ作ってしまえば安心感が生まれ、その安心感が好ショットを生む。練習不足を補ってくれるはずだ。(取材、構成・鈴木憲夫)
=第5回もバンカー編〈2〉です=