◆男子プロゴルフツアー・メジャー第1戦 日本ツアー選手権森ビル杯第1日(6日、茨城・宍戸ヒルズCC=7387ヤード、パー71)
ツアー初優勝を狙う堀川未来夢(みくむ、26)=Wave Energy=が、日本ゴルフツアー機構発足後の1999年以降では史上初の初日スタートホールから6連続バーディーをマーク。6バーディー、1ボギーの5アンダー66で単独首位発進した。
腰痛のため4ホールで棄権した同組の尾崎将司(72)=I.S.T=から4月に習ったパットを武器に、成長した姿を見せた。1か月ぶりに復帰した石川遼(27)=カシオ=は2オーバー73で62位。
令和初のメジャーで堀川がロケットスタートを決めた。1番で1メートル、2~5番は4メートル前後をねじ込んだ。6番パー5は40ヤードから“OKバーディー”。初日スタートホールからの6連続バーディーは史上初。「出来すぎのスタートダッシュが切れた」と、日焼けした精悍(せいかん)な顔を緩ませた。
ジャンボ直伝のパットが目の前でさえた。通算94勝の尾崎将とは4月の東建ホームメイトカップ以来の同組。東建初日のラウンド後、パットに関して「脇があきすぎて(構えが)ナチュラルじゃない。手元を(体に)近くしろ」とアドバイスを受けた。「ジャンボさんの言っていたことが少し分かって、アドレスやスタンスの幅を変えた。バランスが良くなった」と約1か月半、金言を胸に課題に取り組んできた。
スタート前に「パッティングは良くなったか?」と聞かれ「すごく良くなり、最近調子がいいです」と背筋を伸ばして答えた。試合中はレジェンドから「お前(の連続バーディー)が途切れたら(ラウンドを)やめるわ」とジョークも。結局4番までしかプレーを見せることはできなかったが「披露できて良かった」と感謝した。
昨年は終盤のダンロップフェニックス、日本シリーズJTカップでともに最終日最終ホールで崩れ、2位と5位。「初優勝したい思いは誰よりも強いけど、意気込み過ぎずにやりたい」。次週は海外メジャー初出場となる全米オープンが控える。「後半はパーオンが苦しい中、1オーバーと耐えた。それが来週に生きる」と前向きに捉えた。
今大会は過去19回中、ツアー初優勝者が8人も出ており「今日みたいにいいプレーができればチャンスはある」。ジャンボ不在の2日目も勢いを止めず、名前の通り“未来の夢”へと突き進む。(岩原 正幸)
◆スタートホールからの連続バーディー以上
99年以降では6連続が最多。14年ダンロップフェニックス4Rのストラウド(米国)、16年レオパレス21ミャンマーオープン3Rのノリス(南アフリカ)以来3例目で、初日としては初。同一ラウンドの連続バーディー以上は8連続が最多で2例。
◆今大会がツアー初優勝だった選手
過去19大会で8人。2009年五十嵐雄二、11年J・B・パク(韓国)、12年藤本佳則、13年小平智、14年竹谷佳孝、15年梁津万(中国)、16年塚田陽亮、18年市原弘大。