◆ツアー外競技・ひかりTV 4K・FUNAIダブルス選手権(10日、千葉・平川CC=6892ヤード、パー72)
前週の国内メジャー・日本プロ選手権で3季ぶりのツアー15勝目を挙げた石川遼(27)=カシオ=が20年東京五輪出場に改めて意欲を示した。会場で五輪代表の丸山茂樹ヘッドコーチ(HC、49)に「一緒に行きたい」と宣言。同HCからも代表2枠が決定する来年6月までに「あと4勝」とラブコールを受けた。最新の世界ランク(8日発表)で300位から183位へ急浮上しており、日本勢10番手から有言実行の大逆転を狙う。
ダブルス戦を3位で終えた石川は、3日前の鹿児島・いぶすきGCでの最終日37ホールの激闘を落ち着いて振り返った。「自分のプレーに集中できたのは舞台が大きかったから。ああいったゴルフで勝てるんだなという感触はある」
前日9日のプロアマ戦では丸山HCから激励を受けた。「(来年6月までに)4回勝ったら(五輪代表入りの)チャンスがあるな」と声を掛けられ、「はい、一緒に行きたいです」と応じた。同HCは「彼がいるだけで盛り上がるのは間違いない。そういうところ(五輪)を目標にしてくれたらうれしい」と期待した。
世界ランク183位に上がった石川は「“4勝”は簡単ではないが、自分のゴルフを続けるだけ」と表情を引き締めた。世界ランクは自身が苦しんでいた時期も重なる2年間の成績から算出され、勝つと大きなプラスとなり「ランクは上がりやすい」。年間4勝で賞金王を獲得した09年は29位まで上昇しており、残り1年近くで“再現”を狙う。
10月に初めて日米両ツアー共催で行われるZOZOチャンピオンシップ(24日開幕、千葉)が逆転五輪へのカギになりそうだ。世界ランク5位のタイガー・ウッズ(米国)が参戦を表明し、ランク対象の高ポイントが見込まれる。10月中旬までの賞金ランク上位7人が出場権を得るため、同6位の石川は圏内。「ギャラリーもすごい数になる。外から眺めるのは悔しいし、さみしい」と自らがプレーする姿を描いた。
5月の腰痛発症後には本格的な肉体強化に取り組む。ツアー次戦は8月22日開幕の長嶋茂雄招待セガサミーカップ。「そこからは試合が続くので筋力を衰えさせたくない」。活躍を続け、五輪ロードを切り開く。(岩原 正幸)