安田祐香、史上7人目のアマチュアVへ1差3位…シブコ絶賛の18歳


13番、バーディーパットを決め、笑顔で声援に応える安田祐香。首位に1打差の3位につけた(カメラ・関口 俊明)

13番、バーディーパットを決め、笑顔で声援に応える安田祐香。首位に1打差の3位につけた(カメラ・関口 俊明)

 ◆女子プロゴルフツアー ニトリレディス第3日(31日、北海道・小樽CC)

 4位から出たアマチュアの安田祐香(18)=大手前大1年=は5バーディー、1ボギー、1ダブルボギーの70で回り、通算7アンダーで首位と1打差の3位に浮上。史上7人目(日本人5人目)のアマ優勝を視界に捉えた。

 11月に最終プロテストを控えるが、優勝なら受験免除でプロ転向が可能。全英女子オープン優勝の渋野日向子(20)=RSK山陽放送=からは「ぜひプロテストを免除してあげて」と、プロ級の実力に太鼓判を押された。

 プロツアー17戦目の安田は海外メジャーを制した渋野、日米3勝の宮里美香を相手に堂々と回った。18歳のトップアマのプレーに観客からは「体が華奢(きゃしゃ)だけどショットがうまい」と、感嘆のため息が漏れた。

 2番で首位に並び、5番で単独トップに立った。迎えた15番、雷雲接近で2時間15分の中断を挟むと、大雨とともに流れが一変した。再開後、1メートル強のパーパットを外しボギー。この日最難関ホールの16番(平均スコア4・5082)は第2打を池に入れ、ダブルボギーで首位陥落。「今日は50点。中断前は85点。パーパットは(握りが)緩んだ。中断がなければ」と悔しがったが、気持ちは切らさず、17、18番をパーでしのいでV射程圏の1打差3位と粘った。

 プロも苦戦する屈指の難コースで力を示し「ずっとパットがいいので、スコアがまとまっている」。アマ7人目のツアー優勝ならプロテスト受験を免除され、プロ転向が可能。父・光祐さんは「(今回は)1位だけが通るプロテストの位置づけ」と語る。

 後半開始後には、渋野から「もうプロテスト受けなくていいんじゃない?」と言われ、「うれしかった。実際は受けたくない」と笑った。渋野は「ぜひテストを免除してあげてほしい。もう受けなくていいと思う、ホントに。もうレギュラーでもやっていけるし、海外でも通用する」と実力の高さを評した。

 ツアーでは過去12人のアマが最終日を首位で迎えながら全員がV逸。今回の安田は追う立場で、重圧なくプレーできる利点がある。逆転優勝した場合、即プロ転向するか注目される。本人サイドは運転免許取得や春に痛めた腰の状態への不安などから、日本女子プロ協会の入会申請締め切り(12月2日)までタイミングを熟慮する方針だという。

 最終日はともに賞金女王経験のある鈴木愛(17年)、アン・ソンジュ(10、11、14、18年)との対決。安田は「優勝は簡単にできるものじゃないけど、負けないように。自分らしいプレーを続けたい」と前だけ見つめた。(岩原 正幸)

 ◆ミレニアム世代 安田ら女子ゴルフで逸材のそろう2000年度生まれのこと。昨年日本ジュニア&日本女子アマ2冠の吉田優利、アマ日本代表で活躍した古江彩佳と西村優菜、米ツアー参戦中の山口すず夏らがいる。2学年上の黄金世代には渋野のほか、日米通算6勝の畑岡奈紗、国内4勝の勝みなみ、今季1勝の河本結、原英莉花らがいる。

 ◆安田 祐香(やすだ・ゆうか)

 ▽生まれとサイズ 2000年12月24日、兵庫・神戸市生まれ。18歳。163センチ、54キロ。家族は両親と姉。

 ▽ゴルフ歴 名門・坂田塾に小3で入り、小5で70をマーク。17年日本女子アマで優勝しアマ日本代表入り。プロツアーでは滝川二高時代の17~18年にアマ最長タイの10戦連続予選通過。ツアー最高成績は18年の大東建託・いい部屋ネットレディスの3位。

 ▽世界で活躍 4月に米・オーガスタナショナルGCで初開催されたオーガスタナショナル女子アマで3位。同月、アジア太平洋女子アマで2位に8打差の独走で優勝。7月の海外メジャー・エビアン選手権37位でベストアマ獲得。8月の全英にも出場し、59位。

 ▽温泉で息抜き 今大会、コース近くの宿舎に温泉があり、不安のある腰のストレッチなどをしながらリラックス。

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