◆女子プロゴルフツアー 大王製紙エリエールレディス第3日(23日、愛媛・エリエールGC松山)
9位から出た賞金ランク3位の渋野日向子(21)=RSK山陽放送=は6バーディー、ボギーなしの66で通算13アンダー。首位と2打差の7位に浮上し、優勝争いに残った。最終日は賞金ランクトップで7位の鈴木愛(25)=セールスフォース=と同組対決。国内4勝目を目指し、逆転の最年少女王に向かう。通算1勝の森田遥(23)=フリー=が15アンダーで首位。
渋野は同じ組で65と伸ばした同学年の勝に遅れまいと、ショットでスコアを伸ばした。パーオン率は全体2位の94・44%。終盤の16番で1メートルに絡めると、17番パー5も2オン2パットで連続バーディーを奪った。両親の前で好プレーを見せ「いいリズムで回れた。入ってほしいパットがなかなか入らずでしたけど、このスコアは良かった」と、うなずいた。
優勝した9月のデサント東海クラシック最終日以来、20ラウンド(R)ぶりのボギーなし(9ホールのRは除く)。国内1億円を突破したその時のスピーチで「次は賞金女王を狙います」と宣言したが、前週に3月以来の予選落ちを喫し、「賞金女王は考えない」と、気持ちを切り替えた。
この日は今季限りで第一線を退く通算3勝の一ノ瀬優希(31)と初の同組で回った。「最後の試合で回れると思ってなかった。ロングパットとか、どんなときも強気だなと思った。経験かな」と、間近で学んだ。自身の“引退”時期にも質問が及び、「米国にいつか(予定では21年に)行くと思うけど、日本で終わりたい。40歳ではやってないかな。結婚? いつできるか分からない(笑い)。しても(選手を)やっているかもしれない」と語った。
最終日は7位で並ぶ鈴木と同組対決だ。今週で賞金差が2952万円以上になると、次週の最終戦・ツアー選手権リコーカップを待たずに逆転女王が消滅する重要な一日。日米4勝中2勝を最終日の逆転で挙げており「ここで勝ったら、かっこいい。今日のようなショットが打てれば、チャンスはある」と力を込めた。
パット練習後は、約20人の子どもたちにファンサービスを行った。しゃがんで目線を合わせ、明るく話しかけるなどリラックス。女王は意識せず、自然体で臨む。(岩原 正幸)
◆渋野の逆転 日米4勝中、最終日の逆転は2勝。ワールドレディスサロンパスカップは首位タイから出て、71で回り初優勝。資生堂アネッサレディスは2打差2位から追いつきプレーオフを制した。全英女子オープンは2打差首位から、68で逃げ切り。国内3勝目のデサント東海クラシックは8打差20位から、64で大逆転で制した。
◆仮に3Rの順位で終わった場合 渋野は次週の最終戦で優勝すれば、賞金3000万円を加算。その上で、鈴木が単独7位以下かつ申が単独4位以下が逆転の条件となる。