男子プロゴルフツアーの今季最終戦、日本シリーズJTカップは5日から4日間、東京・稲城市の東京よみうりCC(7023ヤード、パー70)で行われる。昨年大会覇者で7年連続7度目出場の小平智(30)=Admiral=は3日、今オフに渋野日向子(21)=RSK山陽放送=と夫人の古閑美保さん(37)を交えた食事会があることを明かした。大会史上6人目の連覇を成し遂げ、全英女子優勝など大活躍した“スマイルシンデレラ”とダブル祝勝会にする。
小平はイン9ホールの練習ラウンドで心地よいドライバー音を響かせた。“チーム小平”のメンバーらと終始リラックスし、高速グリーンなどを確かめた。「優勝したという思いもあったけど、1年前なので新たな気持ちで回った。(国内賞金ランク46位と)一番稼いでないので挑戦者として頑張りたい」と開幕を心待ちにした。
平成、令和の元号またぎの連覇が懸かる。「連覇への意識というよりは、地元(東京・三鷹市)だし、出るからには優勝しか見ていない。3日目まで狙える位置で回って、最後に優勝を手にしたい」。64をマークした昨年最終日の再現で、史上6人目の大会連覇を思い描いた。
米ツアーを主戦場とした2018~19季は積算ポイントランク185位と苦しんだ。昨年4月RBCヘリテージの初優勝で手にしたシードは19~20季まで。来年8月までの戦いに向け「長く米国で続けたいので、是が非でもシードを取りたい」と見据えた。「終わりよければ全て良しじゃないけど、昨年のようにいい締めくくりをしたい」と年内最終戦で来年へ弾みをつける考えだ。
10月のZOZOチャンピオンシップ(千葉、37位)後は国内で3位、米ツアー2戦連続予選通過と手応えがある。ZOZO―で優勝したタイガー・ウッズ(米国)と同組で回り「戦い方、技術面で参考になった。ただ、最初は緊張したけど後はしなかった。勝つ気持ちでやれたのは成長したところ」と憧れのスターとの競演を振り返った。
ZOZO―の週の同21日には、会場を訪れた渋野からあいさつを受けた。「(夫人の)美保と同じ事務所なので来てくれた。うれしかった」。全英後にインスタグラムを通じて祝福のやり取りはしたが初対面。「オフに僕ら(小平と美保さん)と渋野さんでの(食事)会がある。楽しみにしてますと(お互いに)話をした」と明かした。日米5勝で賞金ランク2位と最高の1年を過ごした渋野と、日本シリーズ連覇のダブル祝勝会なら、さらに盛り上がりそうだ。(岩原 正幸)
◆小平智の昨年優勝 初日に大会自己ベストタイの66をマークし、首位と1打差の2位と好発進した。しかし第2日に前半だけで4ボギーを叩くなど、74で14位まで後退。第3日は68と巻き返し、首位と4打差の11位に順位を上げた。最終日はベストスコアの64で回り、石川遼、黄重坤(韓国)とともに大会史上初の3人によるプレーオフに突入。三つどもえの戦いを1ホール目で制し、年少4番目のメジャー3冠に輝いた。
◆小平 智(こだいら・さとし)1989年9月11日、東京・三鷹市生まれ。30歳。父の影響で10歳からゴルフを始め、駒場学園高から日大へ進学。2010年に下部ツアーでアマチュア優勝。大学を2年で中退し、同年12月にプロ転向。13年の日本ツアー選手権で初優勝。17年に元賞金女王の古閑美保さんと結婚。国内通算7勝、米1勝。172センチ、70キロ。