◆報知新聞社主催 男子プロゴルフツアー メジャー最終戦 日本シリーズJTカップ 第1日(5日、東京・東京よみうりCC=7023ヤード、パー70)
2015年大会覇者の石川遼(28)=カシオ=が、優勝時の初日と同じ3バーディー、1ボギーの68で回り、2アンダーの3打差8位と“吉兆”の好スタートを切った。悩んでいたドライバーショットが復調し、フェアウェーキープ率85・71%で今季初めて全体1位と安定。4年ぶり大会制覇へ、上々の滑り出しとなった。星野陸也(23)=フリー=が7バーディー、2ボギーの65で回り、5アンダーで単独首位に立った。
石川の代名詞が帰ってきた。1オーバーで迎えた6番。第1打でドライバーを気持ち良さそうに振り切った。フェアウェー中央に運ぶと、2オンに成功。3打目のイーグルパットこそ外したが、初バーディーで観客を沸かせた。フェアウェーキープ率は85・71%。今季初の全体1位とティーショットが安定し「真っすぐ行ってくれたのでうれしかった」。後半も14番、17番で伸ばして首位と3打差8位。充実した表情でクラブハウスへと戻ってきた。
11月の平和PGM選手権(予選落ち)でドライバーショットを左右に曲げて定まらず、第2ラウンド(R)スタート前にキャディーバッグから抜いてプレーした。前週のカシオワールドオープン(10位)ではフェアウェーキープ率は、4日間で第4Rの50%、38位が最高だった。「調子が悪くなってから、左に振り抜けなくなっていた」。この日は1番からフェアウェーに運ぶ会心の出来で「スコア以上にいいショットがあった。ドライバーが良くなってきている。左に振り切れるようになってきたのが大きい」と手応えを口にした。
女子で通算1勝の永井花奈(22)が、石川が今季2勝目を挙げた8月の長嶋茂雄招待セガサミーカップ以来となる応援に駆けつけた。“勝利の女神”は「そうなんですよ! なので頑張ってほしいです」。永井は高校時代に、石川が主催するジュニア合宿に参加して以来、「師匠」と慕う。昨年も観戦に訪れた永井は、今年も18ホールをついて歩いた。「ドライバーショットがいいですし、パットはうまいですもん」。ラウンド後の練習場でも笑顔で話し、石川の背中を押した。
15年大会は第2Rを68で回り、4打差を逆転し一気に首位タイに浮上。そのまま逃げ切りでメジャー初制覇を果たした。前週から体調を崩し鼻声のインタビューで心配されたが「ちょっと風邪気味だけど、全然大丈夫です。自分の持っているゴルフで優勝したい。楽しく、泥臭く…とりあえずあした集中です」。取り戻した最大の武器ドライバーショットを、4年ぶり大会制覇へとつなげる。(宮下 京香)
◆石川の15年大会優勝 初日は68で首位と4打差の9位発進。2日目も68で回り、通算4アンダーで3人が並ぶ首位に浮上した。3日目は10バーディー、3ボギーの63で通算11アンダーの単独首位に。最終日は67で回り、2位に5打差をつける通算14アンダーの圧勝で初のメジャータイトルを獲得した。