劇的Vの石川遼「18番バーディーで勝てて一生の思い出になります」


優勝し声援に応える石川遼

優勝し声援に応える石川遼

 ◆男子プロゴルフツアー最終戦メジャー最終戦 日本シリーズJTカップ最終日(8日、東京よみうりCC=7023ヤード、パー70)

 首位と2打差5位からスタートした石川遼(28)=カシオ=が、オーストラリアのブラッド・ケネディ(45)=アクシネット=とのプレーオフを3ホール目(すべて18番パー3)で制し、4年ぶり2度目の優勝を飾った。今季は3勝目で、史上最年少での生涯獲得賞金10億円突破を果たした。また、今平周吾(27)=フリー=は首位で迎えた最終18番でダブルボギーをたたいて3位に終わったが、2年連続賞金王を決めた。

 プロゴルフの世界で勝負を分けるサンデーバックナイン(最終日後半9ホール)で、石川が持ち味の“劇場型ゴルフ”を発揮した。首位と1打差の3位でハーフターンすると、11番から残り8ホールは5バーディー、3ボギー。パーはひとつもなかった。

 ケネディとのプレーオフでは一転、我慢のゴルフを見せた。舞台は、難関の名物ホール18番パー3(227ヤード)。1、2ホール目ともにグリーン右に外したが、執念でパーセーブ。そして、迎えた3ホール目。カップ位置は右手前から右奥へ切り直された。これまでの5アイアンから4アイアンに持ち替えると、ピン手前2・5メートルへ。最後は劇的なバーディーを奪い、勝利をもぎ取った。

 「この18番でバーディーを取って優勝できたことは一生の思い出です」。日本屈指の難関パー3と言われる東京よみうりCCの18番で決めた優勝をかみしめるように話した。

 最終ラウンドとプレーオフ2ホール。第1打は3ホール連続でグリーンをとらえられなかった。「3ホール連続で右に外すバカはどこにいるのか、と思った」と苦笑いするが、終わってみれば4ホール目のスーパーショットへの伏線だった。

 バーディーとボギーしかなかった最終ラウンドの残り8ホールも、石川らしく快活に振り返る。「ボギーをたたいた後にバーディーを取り返したのか、バーディーを奪った後にボギーをたたいてしまったのか、よく分かりませんね」

 石川遼にしかできない劇場型ゴルフの真骨頂。2019年は、7月の日本プロ選手権に続き、ふたつ目の“日本タイトル”を手にした。2020年の五輪イヤーは、臆せずに世界に打って出る。

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