渋野日向子「上野さんと一緒に」東京“金”…報知プロスポーツ大賞


プロ野球選手らの前で豪快に本塁打をかっ飛ばすポーズをとる渋野(手前)。豪快なスイングに球審役の阿部2軍監督(左端)、捕手役の森(左下)、投手役の村上(右端)もビックリ(カメラ・相川 和寛)

プロ野球選手らの前で豪快に本塁打をかっ飛ばすポーズをとる渋野(手前)。豪快なスイングに球審役の阿部2軍監督(左端)、捕手役の森(左下)、投手役の村上(右端)もビックリ(カメラ・相川 和寛)

 44回目を迎えた報知新聞社制定「2019報知プロスポーツ大賞」の表彰式が23日、東京ドームホテルで行われた。8月のAIG全英女子オープンで優勝し、初受賞した女子ゴルフの渋野日向子(21)=RSK山陽放送=は東京五輪の金メダルを誓い、来年の受賞も熱望。「クールしぶこ」をイメージした衣装で、唯一の女性アスリートとして表彰式を盛り上げた。

 渋野が壇上に上がると大きな拍手が起こった。スタイリストによると「クールしぶこ」をイメージし、ワインレッドのパンツに白と黒のブラウスを合わせ登場。歴代受賞者に樋口久子、岡本綾子、不動裕理、宮里藍らが名を連ねる賞を受賞し「たくさんいい結果を残せて本当にいい1年でした。全英優勝って改めてすごいんだな。スポーツ選手としてスポーツの賞を頂けてうれしい」と声を弾ませた。

 「全英の1週間で人生変わった。帰国したら芸能人でした。(空港で)なんで自分がここにおるんじゃろと思った」と会場を沸かせた。来季の目標を「東京五輪」と記し「(女子は)3人で出て金メダルを取るのが一番の目標。この年(21歳)で自国開催は、なかなか経験できない」と思いを語った。

 樋口久子以来42年ぶりの海外メジャー制覇に加え、国内4勝で賞金ランク2位と飛躍。「来季、前半戦は米ツアーと日本ツアーに出る。いい結果を残したい。来年も(この賞に)選んでもらえるように頑張りたい。(憧れのソフトボール)上野(由岐子)さんと一緒に出たい」と力を込めた。2008年北京五輪で金メダルに導いた上野も東京で金メダルを狙っており、1年後の“ダブル受賞”へ決意を新たにした。

 受賞者が待つ控室では、田中に「(W杯)感動しました!」と元気にあいさつした。「ラグビーの皆さんの活躍がゴルフの原動力になりました」。会場入りの際にはスポーツ報知のゆるキャラ「Ho!さん」と笑顔でハイタッチした。

 「なかなか他のスポーツ選手に囲まれることもない」と振り返るが、一番驚いたのは「自分より年下がいたこと」。19歳の村上と「ゴルフは難しいですね」などと話した。11月末の最終戦、LPGAツアー選手権リコー杯をテレビ観戦していた阿部さんからは「シャンク(クラブの軸に球が当たるミス)の後に切り替えが早かったね」と絶賛された。

 31日に審査員でゲスト出演するNHKの紅白歌合戦を除けば、この日が実質的な“仕事納め”。クリスマスイブの24日には親知らずを抜く。シーズン終了後は日本女子プロ協会の表彰式(18日)など受賞ラッシュだった人気者は少しだけ羽を休め、2年目の来季へ英気を養う。(岩原 正幸)

 ◆渋野と上野 小学生時代にソフトボールの投手として活躍した渋野は、上野が金メダルを獲得した08年北京五輪をテレビ観戦。当時の記事の切り抜きを食卓に貼り出して目に焼き付けていた。今年8月の全英女子オープン優勝後には「上野さんに会いたいですね。(ソフトの)東京五輪決勝は絶対に見に行きたい」と熱望。上野とは9月に初対面したが、その直前に観戦した試合で上野がノーヒットノーランを達成。「感激です。上野さんは確実に(東京五輪に)出られると思うので、私が頑張らないと」と刺激を受けた。

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