武藤一彦のゴルフ日本シリーズJTカップの見どころ ニューグリーンで始まるNEXT50


ニューグリーンで新たに始まる新時代シリーズに向けて
武藤一彦

 日本にゴルフが伝来したのは1901年、神戸・六甲山にできた4ホールがきっかけである。別荘に住む英国人たちは故郷をしのんでティータイムをたのしんでいるとどうしてもゴルフをやりたくなった。そこで作ったのが、神戸ゴルフ倶楽部六甲コース。今年で115年、日本最古のゴルフコースである。
 笹や草を刈り邪魔な岩を掘り起し最初にグリーンを決め、ティーの場所を定めたと思われる。ゴルフの目的は穴にボールを入れることであり、その打数が少ないものが勝つ。穴をうがちグリーンを造れば、あとは簡単、ティーの場所を決めればそこがスタートだ。フェアウエーなどなくても、自然との闘い、そこに入れるのもゴルフだ。
六甲のグリーンは砂と粘土を混ぜて固めたサンドグリーンだ。グリーンなら芝でしょう、というが、芝を養生し刈り込んで作るパッティンググリーンができるのははるかあとのこと。当時の土木技術では砂を固めるしかなかった。グリーンはお皿状にし、回りを高くした。ふちをつけないとボールが止まらず外に出てしまうのでお皿状にするしかなかった。
 六甲には少年キャディーがいた。その中からのちにプロゴルファーが誕生することになる。少年たちはボールがグリーンに乗ると「入った」と叫んだそうだ。グリーンに“入ったボール”は周りの土手に当たって跳ね返ると、こっちでまたはねかえり止まるまでみんなでひやひやしたというから、ほんとうに最初のゴルフは大変だったのだ。

続きは12月4日に公開します。