エージシュートは2020年2月3日現在、515回と順調に記録を伸ばしている。
昨年11月末に500回の大台に到達したあと12月は5回、新年を迎えた1月に6回、その間、寒さや降雪でラウンドが出来なくなるなどアクシデントに見舞われながら、着実な足取りである。
2020年の記念すべき第1号は、令和2年1月11日、沖縄・喜瀬CCで記録した。沖縄とはいえ冬は海風が強く冷たく、全英オープンを彷彿(ほうふつ)させる厳しいコンデションだったというが、41、39の80で回る会心のラウンドだった。
「例年1月は記録が出ないが、昨年の大みそか以来11日ぶりだった。風は神様がくれた試練と思えば苦にならず、良いスタートが切れて満足」といった。風が吹けば、「追い風で球は飛ぶし向かい風はグリーンで止まりやすい」雨が降れば「グリーンが柔らかくなって球が止まっていいですね」とどこまでも前向きな田中流である。「タフな沖縄で身を引き締める。ここで頑張れなければ1年を乗り切れません。いいスタートが切れました」とたくましい。
「今年の当面の目標は、3月3日の85歳の誕生日までに年間記録を130回に乗せること」と決めている。誕生日から誕生日までの記録の推移は別表にまとめた。田中さんは83歳時の年間125回の年間記録を上回り130回まで伸ばしておきたい、というのだ。
〇達成年令と回数
71歳 1
72歳 0
73歳 2
74歳 1
75歳 4
76歳 1
77歳 1
78歳 16
79歳 28
80歳 50
81歳 81
82歳 90
83歳125
84歳 ?
「71歳からの9年で54回だったエージシュートは、80歳になってからも年々、回数が増え続けている。トシを取るたびにゴルフが年々うまくなっている。エージシュートはお前の天職だ、といわれているような、この素晴らしい世界!」と明るく笑った。「3月3日、私の85歳の誕生日までに年間のエージシュートを130回までもっていく。ハイ、いけると思います」誕生日まで1か月であと11回のエージシュートを積み重ねれば、正式には前日の3月2日までに126回なら83歳時の125回の自己新を1回上回るが、そこはキリの良い130回に設定して、8年連続の年間記録更新の偉業へ。
田中さんの実力と強靭な精神力があれば簡単というのは易しい。信じたいが何が起こるかわからないのがゴルフ。スリリングな日々が始まった。
◆田中 菊雄(たなか・きくお) 1935年3月3日、島根・松江市生まれ。84歳。神奈川・川崎市を拠点にリフォーム、食品など5社、社員400人を抱える「北山グループ」取締役会長。東京・よみうりGCなど4コース所属、ハンデ5。初エージシュートは06年8月、71歳のとき静岡・富士国際富士コースを70で回った。173センチ、65キロ。