“奈紗似”の飛ばし屋・神谷美緒がプロ目指し成長中「ギャラリーを沸かせられるプロに」


ドライバーで260ヤード飛ばす神谷

ドライバーで260ヤード飛ばす神谷

 静岡県袋井市にある県内屈指のゴルフ名門コース「葛城ゴルフ倶楽部」(GC)の研修生で、日本女子プロゴルフ協会(LPGA)のプロテスト合格を目指すゴルファーがいる。今年2度目の受験に挑む神谷美緒(19)はドライバーで最高260ヤード。見た目も日米通算8勝の畑岡奈紗(21)=フリー=に似ていると評判の飛ばし屋がプロの仲間入りを狙う。

 神谷が女子プロゴルフを代表する飛ばし屋に名を上げる。ドライバーの最長は260ヤードをマーク。周囲から“奈紗似”と評判の19歳は「良く言われます(笑い)。とにかく飛ばして、ギャラリーを沸かせられる明るいプロになりたいです」と目を輝かせた。

 小学校低学年時にスナックゴルフ(プラスチック製のクラブで行う簡易ゴルフ)を始め、魅力に取り付かれた。浜松西高中等部からヤマハジュニアスクールに通い、同高では18年の県女子アマを制覇。卒業後、葛城GCで研修生生活をスタートした。

 朝6時半には出勤してコース内をランニングするなど2時間ほど体力強化メニューをこなす。午前、午後に1度ずつラウンドし、さらに練習場で午後8時頃まで打ち込み。「入ってからさらに10ヤードくらい飛距離が伸びました」。葛城GC宇刈コース(パー72)で69を記録するなど順調に成長している。

 初受験となった昨年のプロテストは2次予選止まり。「フックが止まらず、スライスを当てて何とかしようと思ったけど…」。修正できないまま終戦した。悩んだ末、葛城GC所属で通算18勝の男子プロ・藤田寛之(50)に相談すると「考えが一辺倒過ぎる。フックをもっと右から回して攻略していくこともできた」と助言をもらったという。「まだ柔軟な考えができていない。教わることは山ほどあります」とベテランのマネジメント法を吸収していく構えだ。

 小2から現在も続けている書道は3段の腕前。「集中力、手先の繊細さはゴルフにも通じると思う」と笑う。今季のプロテストは8月から1次予選を実施予定。当面の課題はショートゲームだ。「ミスした後のパーセーブ率を上げないと合格できない」。小技にも磨きをかけながら運命の時に備える。(武藤 瑞基)

 ◆神谷 美緒(かみや・みお)2000年10月6日、浜松市生まれ。19歳。磐田市立長野小、浜松西中、浜松西高を経て葛城GC研修生に。憧れのゴルファーは柏原明日架(24)=富士通=。163センチ、65キロ。家族は両親。

 ◆女子ゴルフプロテスト 受験資格は昨年度から当概年4月1日現在で「18歳以上」が「17歳以上」に引き下げられた。1次予選、2次予選、最終の3ステージで構成される。最終テストは4日間、72ホールのストロークプレーで行われ、20位タイまでの合格者は来季ツアー優先出場権をかけたQT(予選会)に出場できる。

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