米男子ゴルフのメジャー20年最終戦、マスターズは12日から4日間、米ジョージア州オーガスタナショナルGC(7475ヤード、パー72)で行われる。7年連続9度目の出場の松山英樹(28)=LEXUS=は10日、練習ラウンドで調整した。前週大会で2位に入った好調を維持し、日本男子悲願のメジャー初制覇に挑む。長年、TBSで大会リポーターを務める芹澤信雄(61)=TSIグルーヴアンドスポーツ=が、今大会はスポーツ報知の解説を担当。初の秋開催&無観客となった“ゴルフの祭典”の展望を占った。
松山選手は秋のマスターズにも合うと思います。オーガスタナショナルGCは(グリーンの傾斜がきつく)高い球を打って、点で狙って攻めていかないといけない。松山選手はそのためのアイアンの精度を持っています。今回は無観客でメディアも少なく、自分のプレーに集中できる。初優勝の可能性は十分あると思いますね。カギはパットと苦手の初日を60台で入れるかでしょう。今平選手は小技もうまく、来年の出場権獲得(12位以内)が目標になってくると思います。
タイガーの連覇は、最近の調子では難しいかなと思いますね。昨年までオーガスタのパトロン(観客)の花火のような熱狂的な大歓声に一番、後押しをされていた選手。無観客の中、どこまでテンションを上げてプレーできるか。ただ、オーガスタの女神に愛され、毎年、何かをやってくれる選手なのでやはり注目です。
優勝候補には生涯グランドスラム(メジャー4冠)のかかるマキロイ、世界ランク1位のD・ジョンソンを挙げます。今一番、マスターズを勝ちたい気持ちを強く持っている選手だと思います。伏兵はショットメーカーで8月の全米プロ選手権を制したモリカワ。初出場ですが今年は独特の大歓声がなく、いつも通りのプレーができるのではと見ています。(プロゴルファー)
◆芹澤 信雄(せりざわ・のぶお)1959年11月10日、静岡・御殿場市生まれ。61歳。御殿場西高で国体スキー出場。18歳でゴルフを始め、82年にプロ転向。日経カップでツアー初優勝した87年から10年間賞金シード入り。96年日本マッチプレー選手権プロミス杯など通算5勝。2010年富士フイルム選手権でシニアツアー1勝。12年賞金王・藤田寛之、宮本勝昌、西山ゆかりらを弟子に持つ。173センチ、70キロ。