![18番、紅葉を背にアプローチ練習をする金谷拓実(カメラ・相川 和寛)](https://golf.hochi.co.jp/wp-content/uploads/2020/12/20201202-OHT1I50003-L.jpg)
18番、紅葉を背にアプローチ練習をする金谷拓実(カメラ・相川 和寛)
◆報知新聞社主催 男子プロゴルフツアー20年最終戦 日本シリーズJTカップ(3日から4日間、東京・稲城市 東京よみうりCC=7023ヤード、パー70)
男子プロゴルフツアーの20年最終戦、日本シリーズJTカップは3日から4日間、東京・稲城市の東京よみうりCC(7023ヤード、パー70)で行われる。初出場のルーキー、金谷拓実(東北福祉大4年)は1日、1973年のツアー制施行以降では大会史上最年少となる22歳での優勝へ、勝負飯「ハンバーグ」での験担ぎを徹底して大一番に挑むと明言した。
“怪物ルーキー”が偉業に挑む。金谷は専用の器具でグリーンの傾斜を測りながら、18ホールを一人でじっくり見て回った。「グリーンは狭いし、傾斜が強い」。奥から急傾斜グリーンの名物ホールの18番は「テレビで見ていたけど、実際に来てみると、もっと難しく感じた」と初体験の難コースを警戒。現在、22歳6か月。73年のツアー制施行後では81年大会の羽川豊の23歳363日を抜く史上最年少優勝へ「初日からいいプレーをしていきい」と気持ちを高めた。
2週前のダンロップフェニックスではプロ転向3戦目で歴代2番目のスピード記録で初優勝。優勝会見では「自信が確信に変わりつつある」と、ルーキー時に「怪物」と呼ばれた西武・松坂大輔投手の名言を借りて胸中を表現した。「本当に成功できるかと不安があった中での優勝。力がついていると自信になった」。松坂は新人で16勝の最多勝を獲得したが、金谷も新人としてツアー制施行後初のツアー2連勝を射程に入れた。
やっぱり勝負飯は必須だ。2週前はファミレスチェーン店で、和風ハンバーグを毎晩テイクアウトして験を担ぎ、優勝を果たした。しかし前週のツアー外競技・ニトリエキシビションゴルフの最終日前夜は、しゃぶしゃぶに“浮気”。「大丈夫だよな」とタカをくくっていたところ、小鯛竜也(30)とのプレーオフに敗れて2位に終わった。今大会中は「もうハンバーグしか食べられない。(会場近くで店を)探します」と真顔で語った。
来夏の東京五輪代表は世界ランク日本勢上位2人で1番手17位の松山英樹を除き、2番手の今平周吾から5番手126位の金谷までは混戦状態だ。アマ日本代表で共闘した女子の古江彩佳が今季ツアー3勝を挙げる大活躍で、11月30日付の世界ランクで五輪出場圏内の14位に浮上。金谷も刺激を受けており、「(東京五輪が)1年延びてチャンスはある。優勝してランクをどんどん上げて代表に入れるように」と気合を入れ直した。大会史に残るVで来夏の大舞台につなげる。(宮下 京香)
◆金谷 拓実(かなや・たくみ)1998年5月23日、広島・呉市生まれ。22歳。5歳でゴルフを始め、広島国際学院高2年の日本アマ選手権で17歳51日の大会最年少V。同年の日本オープン11位で大会最年少ローアマ、17年同大会も2位でローアマ獲得。18年アジア・パシフィック選手権で優勝。19年の海外メジャーのマスターズ58位、全英オープンは予選落ち。今年の全米オープン予選落ち。東北福祉大ゴルフ部主将。172センチ、73キロ。家族は両親と兄。