【牧野裕の目】実は17番がカギだった…無情なほど厳しい東京よみうりCCの18番グリーン


通算8アンダーで優勝したチャン・キム(カメラ・相川 和寛)

通算8アンダーで優勝したチャン・キム(カメラ・相川 和寛)

 ◆男子プロゴルフツアー 最終戦メジャー 日本シリーズJTカップ最終日(6日、東京・東京よみうりCC=7023ヤード、パー70、報知新聞社主催)

 東京よみうりCCの18番グリーンは、無情なほど厳しい。

 岩田はグリーン左から絶妙なアプローチを見せたが、ピンの下につけたかった。上からのパーパットは難しく、右に持っていかれた。谷原、大槻も難しいパーパットを残した中で、キムだけがストレスのないパットで勝利を引き寄せた。

 勝負は18番グリーン上で決まったが、実は17番が鍵を握っていた。最も易しい17番でバーディーを奪い、最も難しい18番をパーで抜ける―。これが全選手に共通したプラン。優勝争いの4人で、キムだけがバーディーを奪い、他の3人はパー止まり。特に岩田と大槻は2オンしながら3パットのパー。流れを悪くした。

 5位の金谷は粘り強いプレーが光った。11番まで3つスコアを落としながらイーブンまで戻した。安定感があった。10月にプロ転向し、優勝が1回、トップ10が3回。賞金ランク3位。総合力が高い。練習熱心なので、この冬にさらに成長するはず。20―21年度シーズンで賞金王争いするだろう。

 コロナ禍というやむを得ない状況で今年は無観客開催となったが、プロゴルファーは大歓声を浴びることで集中力が増し、より良いプレーを見せることができる。来年は多くのギャラリーがいるトーナメントが開催されることを切に願っています。(プロゴルファー)

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