◆女子プロゴルフツアー21年初戦 ダイキンオーキッドレディス第3日(6日、沖縄・琉球GC)
2人が並ぶ首位から出た西郷真央(19)=大東建託=が5バーディー、1ボギー、1ダブルボギーの70で回り通算12アンダーで、同じく70の森田遥(24)=新英ホールティングス=とともに首位をキープした。西郷は初日から一度も首位を譲らない完全優勝に王手。4日間競技の完全Vなら、1988年ツアー制施行後では2005年日本女子オープンで達成した宮里藍の20歳105日を上回り、史上初の10代(19歳150日)での快挙となる。
師匠の尾崎将司(74)から“せごどん”の愛称で呼ばれるルーキー・西郷が、完全優勝に王手をかけた。同じ最終組の森田に3打リードの単独首位で迎えた17番で痛恨のダブルボギー。18番でバーディーとした森田に並ばれたが、「それもゴルフと、パッと切り替えてプレーできたのが良かった」と、19歳とは思えぬ落ち着いた様子で話した。
プロ初の有観客試合で3日間とも首位を守った。「バーディーを取った時『ナイス』とか拍手があり、プラスに捉えている」と声援に感謝。7番から9番までは得意のショットをピン1~2メートルに絡め、3連続バーディーと、初戦から持ち味を存分に発揮。
昨年最終戦後、千葉県内にあるジャンボ邸を訪れると「ボロボロになっているじゃないか」と、昨秋以降、背中の負傷もあり調子を崩したことに師匠から心配された。昨年は開幕前にトレーニング量を増やし、けがにつながった苦い経験から、今オフは「量を減らし、効率良くやること」を意識。「シーズン最後までいい位置で戦えるように計画を練った」と、自重やチューブを使ったトレーニングで10~20ヤードの飛距離アップを実感したという。
64をマークした初日には「早めに『優勝できました』と(師匠に)報告できれば」と話した19歳。これまで4日間の完全優勝達成は宮里藍の20歳105日が最年少で、10代ではいない。最終日最終組でプレーするのは、ともに5位に終わった昨年6、8月の1、2戦目以来となる。「もちろん優勝したい気持ちはあるけど、優勝を考えてもいいショットを打てるとは限らない。集中して、できることを心掛けたい」。ゴルフ界の“せごどん”が新たな歴史に名を刻む。(岩原 正幸)
◆西郷 真央(さいごう・まお)2001年10月8日、千葉・船橋市生まれ。19歳。5歳でゴルフを始め、14年全国小学校選手権優勝。父が尾崎の大ファンで、麗沢高時代に弟子入りし、ジャンボアカデミー1期生となる。19年日本女子アマ優勝。同年11月のプロテストに一発合格。日本ウェルネススポーツ大在学中。憧れの選手は通算50勝の不動裕理。158センチ、57キロ。家族は両親と姉。