◆男子プロゴルフツアー アジアパシフィック ダイヤモンドカップ 第1日(13日、神奈川・相模原GC東C=7298ヤード、パー72)
19歳のアマ杉浦悠太(日大2年)が5バーディー、1ボギーの68で回り、首位発進した。石川遼(29)=カシオ=も「プロの中でもトップレベル」と絶賛する逸材はツアー史上5人目のアマ優勝を目指す。木下稜介(29)=ハートランド=が首位で並び、アマの河本力(21)=日体大4年=ら8人が1打差3位。石川遼は2打差11位と上々のスタートを切った。
関東屈指の難しい林間コースを、19歳のアマチュアが“いぶし銀”のゴルフで攻略した。「グリーンを外しても外してはいけないところには外さなかった。外してもアプローチが寄せられたのでパーを拾いやすかった」。杉浦は5バーディーを奪い、ボギーをひとつだけに抑えた初日のラウンドを冷静に振り返った。
「アマですけど、優勝を目標としています」。並み居るプロに負けず、首位に立った杉浦は堂々と“V宣言”。今年初戦の東建ホームメイトカップでは日体大3年の中島啓太が1打差2位と健闘しており、「アマでも優勝争いができるということを教えてくれた」と語った。今大会に向けて中島、河本と練習ラウンドを一緒に回った。河本は3位と好発進し、中島も44位と耐えた。アマがプロツアーで存在感を示している。
2017、18年には石川遼が主催するジュニア大会で連覇を果たした。「石川さんには感謝しています」と殊勝に話す杉浦を、石川遼も高く評価している。「練習ラウンドで一緒に回ったことがある。以前、飛距離はなかったけど、今は正確性を保ったまま飛距離が伸びてきた。プロの中に入ってもトップクラスと思います」と称賛した。
杉浦は自分が目指すべきスタイルを熟知している。目標とする選手は英国のルーク・ドナルド(43)。パットを得意として安定したゴルフが持ち味のドナルドは身長175センチながら大男がそろう米、欧州ツアーで2011年同時賞金王に輝き、世界ランク1位にもなった。
これまでツアーでアマ優勝を果たした選手は永久シードの倉本昌弘、石川遼、マスターズ覇者の松山英樹、今季賞金ランクトップの金谷拓実と名だたる選手だけ。171センチ、日本のルーク・ドナルドは5人目の快挙を目指す。(竹内 達朗)
◆杉浦 悠太(すぎうら・ゆうた)2001年9月12日、愛知・高浜市生まれ。19歳。4歳でゴルフを始める。強豪の福井工大福井高で腕を磨き、日本ジュニアなどで優勝。昨年、日大国際関係学部に入学。得意クラブはショートアイアン。ドライバーの平均飛距離は290ヤード。171センチ、73キロ。