日本生まれ、米国育ちの大西魁斗が4打差4位浮上 松山英樹超えのプロ初戦で初Vへ


大西魁斗

大西魁斗

◆男子プロゴルフツアー ゴルフパートナー・プロアマ 第3日(22日、茨城・取手国際GC東C=6804ヤード、パー70)

 第3ラウンドが行われ、日本生まれ、米国育ちの異色のルーキー・大西魁斗(22)=フリー=が上位に躍り出た。1イーグル、6バーディー、ボギーなしの62をマークし、通算15アンダーで4打差の4位に浮上。7日にプロ転向し、今大会は主催者推薦で初出場し、プロ初戦での優勝は、1999年の日本ゴルフツアー機構の発足後、2013年の松山英樹の2戦目を抜く日本人最短記録。「予選通過という目標で、ベストを尽くして上にいければいいと思っていた。でもここまできたら優勝したい」と目を輝かせた。

 “アメリカンスタイル”のゴルフでスコアを伸ばした。米国では「とにかく飛ばしてそこから考える、攻撃的なプレーが多い」という。548ヤードの9番パー5で披露した。第1打をドライバーで318ヤード飛ばすと、2オンに成功。8メートルのイーグルパットを強気に沈めてプロ初のイーグルを記録。「僕も攻めのプレーを心がけています。今日はドライバーも真っすぐいったし、100ヤード以内のショットも調子が良かった。ベストを尽くせました」と胸を張った。

 千葉県で生まれ、東京に移り、5歳でゴルフを始めたが、9歳の時に語学力と練習環境を求めて母と2人で米ロサンゼルスに渡った。現地では日米通算13勝の丸山茂樹と一緒にラウンドしたのを機に親しくなり、今でもゴルフの助言を受ける。13歳になると単身でフロリダ州に移り、IMGアカデミーで腕を磨いた。アカデミー出身でテニスの西岡良仁(25)とは交流があり「錦織(圭)さんは練習しているのを見たことがあります」と刺激的な環境で過ごした。

 その後、南カリフォルニア大に進学。アジア・パシフィックアマチュア選手権には18年までに3年連続出場し、同学年の金谷拓実(22)らと共闘。大学の試合では昨年の全米プロ選手権王者のコリン・モリカワ、マシュー・ウルフ(ともに米国)らとしのぎを削った。2年時には全米の大学生40人のみの「オール・アメリカ」に選出され「周りの選手が勝てているので自分も自信になっています」。

 昨年5月に大学を卒業し、進路について母国の日本を選択した。「丸山さんも松山(英樹)さんもアメリカで活躍されています。日本人なので日本から始めたいと心に決めました」。昨年10月の来季のツアー出場権を懸けた特別予選会は1次で脱落したが、プロ初戦でいきなり日本でのプレーに向け、チャンスが訪れた。「日本の予選会が8月にあるので、そこに向けて練習しています。今週もトップ10に入れば、来週の試合に出られるのでそこを目指すけど…優勝が一番ですね」と端正なマスクを引き締めた。

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