“ミヤルソン”宮本勝昌、63で単独首位 全英「行きたい」


初日、9アンダーで首位に立った宮本勝昌(カメラ・馬場 秀則)

初日、9アンダーで首位に立った宮本勝昌(カメラ・馬場 秀則)

◆男子プロゴルフツアー ミズノオープン 第1日(28日、岡山・JFE瀬戸内海GC=7349ヤード、パー72=報知新聞社特別協力)

 プロ27年目の宮本勝昌(ハートンホテル)がパットが絶好調で1イーグル、7バーディー、ボギーなしの9アンダー、63をマーク。2打差の単独首位発進を決め、競馬好きの48歳は日本ダービーウィークに“先行逃げ切り有利”の54ホール短縮競技で、2019年5月以来の通算13勝目を狙う。フィル・ミケルソン(米国)の全米プロ選手権でのメジャー最年長Vに触発され、有資格者を除く今大会上位2人に与えられる全英オープン(7月15日開幕・ロイヤルセントジョージズGC)切符獲得に照準を定めた。

 今年もダービーウィークに、ゴルフ界屈指の競馬通の大ベテランが躍動した。宮本が勢いよくゲートを飛び出した。圧巻は最終18番。残り88ヤードから58度ウェッジでピン上5メートルに着弾させて、強烈なバックスピンをかけて戻して勢いよくカップに沈めた。「今日はショットもパットもうまくいきましたね。先週の(国内男女最多の1日13バーディーを奪った女子の)稲見選手に負けないように宮本“萌寧”になるか、(全米プロを制した)フィル・“ミヤルソン”になるか」と報道陣を爆笑に包んだ。

 グリーン上でさえ渡った。「パットがすごく良かった」と計24パット。1番で3メートルのバーディーパットを沈めて勢いに乗ると9番で7メートル、13番は10メートル、15番と16番は5メートルをねじ込んでリーダーボードの頂点へと駆け上がった。今季自己最少の63。「良くも悪くもベストを尽くすのは一緒。結果が違うだけ」と磨き上げたプロ魂を燃やした。

 来年8月に50歳となり、来季はシニアツアーとの掛け持ちを宣言する。レギュラーフル参戦は今季が最後。日本シリーズJTカップ3勝など国内メジャー5冠の48歳だが、海外メジャー出場は意外にも10年全英オープンの1度だけ。予選落ちを喫している。

 先週の全米プロ選手権をテレビ観戦した。50歳のミケルソンがメジャー史上最年長V。「違う種類の感動というか、格好良い。1万人のギャラリーがグリーンを取り囲んで、プロゴルファー冥利(みょうり)に尽きるというか。できれば行きたい気持ちもあります」と11年ぶり2度目の海外メジャー出場への意欲が再燃した。

 競馬のダービー優勝予想では先行が得意な皐月賞馬の「エフフォーリアで間違いない。(今大会の)宮本以上に◎です」と笑った。自身の単独首位発進は過去10度で4度が優勝。同じく逃げ切って、大舞台への夢切符を手に入れる。(榎本 友一)

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