◆女子プロゴルフツアー GMO&サマンサ・カップ 第2日(17日、茨城・イーグルポイントGC=6657ヤード、パー72)
10位から出た東京五輪代表の稲見萌寧(21)=都築電気=が5バーディーを奪い、67をマーク。2日連続ボギーなしで通算9アンダーに伸ばし首位と4打差5位に浮上した。前週の米ツアーで4勝目を挙げた畑岡奈紗に続く、メダル獲得へ弾みをつける優勝を狙う。
ショットメーカーの稲見が次々とチャンスを量産し、優勝争いに名乗りを上げた。フェアウェー、グリーンともに外したのは2回だけ。圧巻は4番。第2打を30センチにつける“OKバーディー”で勢いに乗ると、後半も3つ伸ばし、連日のボギーなしで67。4打差5位浮上に「だいぶショットがマシになってきている」と手応えをにじませた。
5メートル以内で決まらなかった場面が7回もあり、「ラインがうまく読めなくてもったいないホールがあった」と振り返った。最近4戦は、2度の予選落ちなど不完全燃焼が続いていただけに、ショットの復調は五輪に向けて何よりの好材料だ。
賞金ランク首位の小祝さくら(23)が予選落ちしたため、約743万円差で追う同2位の稲見は単独2位(賞金880万円)以上で初めてトップに浮上する。「その辺を気にするのは最後の1か月か、残り何試合かになってから」と意に介さないが、ダントツの今季6勝を挙げ、首位の背中は目前に迫る。
ツアー初優勝したのは19年7月下旬の埼玉での試合と、酷暑も苦にしない。「寒いと手がかじかみやすく、それがなくていいなというくらい。めちゃくちゃ得意というわけでもないけど、苦手でもない」。五輪本大会は8月4~7日の埼玉・霞ケ関CCで、ツアーを休養する来週の24、25日に練習ラウンドを行い、各国トップ選手が懸念する暑さにも慣れることができそうだ。
本番まで自身はあと2戦。先月末の代表決定後初Vに向け、首位と4打差に迫った。前週の米ツアーでは、ともに日の丸を背負う畑岡が一足早く勝利を手にした。今大会前に「私も頑張らなきゃいけない」と決意を示した稲見に、そのチャンスが訪れた。(岩原 正幸)