◆女子プロゴルフツアー NEC軽井沢72 最終日(15日、長野・軽井沢72G北C=6679ヤード、パー72)
最終ラウンド(R)は悪天候により、10番からの9ホール(H)で実施され、大会は27Hの短縮競技となった。小祝さくら(23)=ニトリ=が2バーディー、ボギーなしの34で回り、通算10アンダーで逃げ切った。3月のTポイント×ENEOS以来となる今季4勝目、通算5勝目を挙げた。銀メダリストの稲見萌寧(22)=都築電気=は東京五輪後の初戦を3アンダーの19位で終えた。賞金加算は75%となった。
最終18番、小祝は1メートルのパーパットを沈めた。「まだハーフ(9H)あるのではという感じだった」と、おどけたが、心の中は安ど感でいっぱいだった。2勝した3月以来の優勝に「長く感じた。最近は調子も良くなかったので、どうやって前半に2勝もしたのか不思議だった」と振り返った。
大会中は大雨に見舞われ、27Hの短期決戦。3打リードで出たが「自分が落とすと、すぐに(差が)埋まる」と油断はなかった。13番パー5で第3打を30センチへ運ぶと、14番も連続バーディー。パー3を除く7ホールで一度もフェアウェーを捉えられなかったが、アイアンショットでカバーし、パーオンを逃したのは9回中2回だけと崩れなかった。
18年から114戦連続出場中と“皆勤”を続ける。試合がなかった前週の五輪期間のオープンウィークが復調につながった。地元・北海道で調整し、「ショット、パットを重点的に練習して、こうして優勝できた。本当に1週間の練習は大きいんだな」と実感した。賞金ランクも、2位の稲見を約1233万円引き離し首位をキープ。10月にはツアーを1試合休むことを辻村明志コーチと話し合って決め、終盤の女王争いに備える方針だ。
通算5勝目は、黄金世代筆頭の畑岡奈紗、勝みなみと並んだ。「自分はアマチュアの時に成績を残せていなかったけど、ここまで来られたのは自信になる」。あっという間の1・5Rでも今後に向けて手にした自信は大きい。(岩原 正幸)
◆27ホール短縮競技
2019年スタンレーレディス(静岡・東名CC)以来で、1988年のツアー制施行後では今回が8例目。この日は午前8時開始予定を2時間遅らせ、その後10番からの9ホールに短縮した上で午前10時に第1組スタートで行った。