◆男子プロゴルフツアー パナソニックオープン第1日(23日、京都・城陽CC=6967ヤード、パー72)
賞金ランク2位の木下稜介(30)=ハートランド=が7バーディー、ボギーなし、今季ツアー初日では自己最少タイの65で回り、7アンダーの単独首位に立った。優勝すれば自身初のシーズン獲得賞金1億円を突破し、ランク1位に浮上する。初の賞金王も視野に入るが、同い年の石川遼(30)=カシオ=と同様に米下部ツアーの予選会出場を優先させるか「悩んでいる」と明かした。
今季2勝の木下稜は自信に満ちていた。8番でグリーン脇のカラーから4メートルを入れて3つ目のバーディー。9番パー4では残り102ヤードの第2打をピンそば1メートル半に寄せて連続奪取。7バーディーを重ね、ボギーなしで会心のプレー。直近の試合でも5位、3位と好調を維持し「ショットが安定して自信を持って思った球が打てている」と胸を張った。
今季ツアー獲得賞金は2位。92万3087円差でランク1位・星野陸也(25)に肉薄する。初の賞金王へトップ浮上は目前だ。奥嶋誠昭コーチに師事する女子ツアーで賞金ランク1位の稲見萌寧(22)とは同門で、男女タイトル奪取も狙える好機。ただ、米ツアー挑戦へ悩める胸中も明かした。
同学年の石川が今大会前に10月の米下部ツアーの2次予選会に出場登録した。同12日時点で国内賞金ランク5位以内に入れば、11月4日からの米下部の最終予選会から参加可能。石川のニュースでこの条件を知った木下稜は「世界で戦いたいけど賞金王も捨てがたい。優柔不断で悩んでいる」。仮に海外での予選会を優先すれば、日本ツアー数試合の欠場を余儀なくされ、初タイトルが厳しくなるからだ。
7月の全英オープン(59位)などを経て海外挑戦への思いは強まった。「石川選手もそうだと思うし、松山(英樹)選手のように戦いたいと強く思っている」と同年代が刺激になった。10月21日開幕の米ツアー・ZOZOチャンピオンシップ(千葉・アコーディアゴルフ習志野CC)を制し、米ツアー会員になる手段もある。最終予選会の出場登録締め切りは同10日だが、まずは今大会Vで賞金王への道を切り開き、自信を手にする。(宮下 京香)