◆女子プロゴルフツアー 富士通レディース 第2日(16日、6679ヤード、千葉・東急セブンハンドレッドC西C=パー72)
前週のスタンレーレディスでツアー通算5勝目を飾った渋野日向子(22)=サントリー=が8バーディー、2ボギーで、この日のベストスコア66をマークし、通算11アンダーで1打差3位に浮上した。ショットの距離感を取り戻し、最終ラウンドに逆転で、自身初の2週連続Vを狙う。19年大会覇者・古江彩佳(21)=富士通=と勝みなみ(23)=明治安田生命=が12アンダーで首位。
渋野が納得のラウンドでトップとの差を詰めた。前日は「気持ち悪い」とショットの違和感を口にしたが、スタートホールの1番パー5で表情は晴れた。第1打のドライバーショットで手応えをつかむと、残り78ヤードの第3打を「距離感が合った」とピン右手前1メートルにピタリ。3番まで3連続で伸ばし、今季自己最少のハーフ30。単独首位で折り返し「ボギーを打つ要素がない安定したゴルフができた」と胸を張った。
後半は粘った。12番までにバーディーチャンスをパットで取りこぼすと、13番ではまさかの3パット。優勝した前戦からプレーオフを含めて36ホールぶりのボギーを叩いた。14番も連続で落として嫌な流れが漂ったが、16、17番で「バーディーは薬」と盛り返した。結局この日のベストスコア66で終え「後半はむしゃくしゃしたけど、トータルで6つ伸ばせたので明日につながる」とうなずいた。
前日は67で5位発進も朝の練習場からショットで「距離が飛んでいない」などとモヤモヤしながら回った。ラウンド後も「全然ダメ」と感覚は戻らなかったため、開き直った。「寝たら直るか」と、練習を1時間弱で切り上げて宿泊先へ。ベッドに入る前に、気分転換のため行ったのが塗り絵だった。公式YouTubeチャンネルにも上げたように、楽しそうにポケモンに色を塗った。この切り替えが奏功して気分は晴れ、ショットの復調、バーディーラッシュにつなげた。
開幕前までは2週連続Vについて「めちゃくちゃ難しいこと。私は考えない」と無欲を強調していたが、1打差3位にいるリーダーボードを見ると意識は変わった。「(優勝を)狙わないわけにはいかない位置」。前週は苦悩を経て手にした686日ぶりの復活優勝を「ちょっぴり辛い、カレーせんべいの味」と表現した。自身初の2週連続Vは、どんな味になるのだろうか。(宮下 京香)
◆アスリートと塗り絵 フィギュアスケートの浅田真央さんは現役時代の15年に「大人の塗り絵」を購入してからはまった。「スケートのことだけを考えてしまうのをなくすため。リラックスにもなるし、集中力も高まる」と100本入りの色鉛筆を購入し、自身の作品もインスタに投稿している。東京五輪で金メダルを獲得したソフトボールの上野由岐子もコロナによる自粛期間に塗り絵に挑戦した。