古江彩佳、異例のPO決戦に「驚き」も「ほとんどいいショット。完璧だった」強気のプレーで同一大会でアマ&プロV


優勝を決めるプレーオフを制し通算5勝目を挙げ、表彰式で優勝トロフィーにキスをする古江彩佳(カメラ・今西 淳)

優勝を決めるプレーオフを制し通算5勝目を挙げ、表彰式で優勝トロフィーにキスをする古江彩佳(カメラ・今西 淳)

◆女子プロゴルフツアー ▽富士通レディース最終日(17日、千葉・東急セブンハンドレッドC西C=6679ヤード、パー72)

 最終ラウンド(R)は降雨によるコースコンディション不良のため、競技の中止が決定した。第2Rを終えて、通算12アンダーで首位に並んだ勝みなみと古江彩佳による優勝者を決めるプレーオフ(PO)が3ホールのストロークプレーで実施され、古江彩佳が昨年11月の大王製紙エリエールレディス以来のツアー通算5勝目を飾った。古江は2019年大会でアマチュア優勝を飾っており、1988年のツアー制施行後、宮里藍、畑岡奈紗に続く史上3人目の同一大会でアマ&プロでの制覇を果たした。

 大会主催の富士通の所属プロとしても今大会への思いは強かった。表彰式の優勝インタビューでは涙もあふれ、「アマチュアの時は自分のことだけを考えて思い切ってプレーしていた。所属させてもらって優勝が一番喜んでもらえると思うので良かった。プロになって、ここで2勝目を挙げることができてうれしい」と喜びを語った。

 強雨が降り続く中、POは3ホールのストロークプレーで行われた。16番パー5は両者パーで終え、17番パー3。第1打を5ウッドでピン左奥2メートルにピタリとつけてバーディーを奪った。「あそこまで(ピンに)向かってくれるとは思わなかった。運良くというか」。向かい風の18番パー4は第2打でグリーンに届かず、3打目のアプローチもピンまで6メートルが残った。勝が3メートルのパーパットを残して見つめる中、「(自信は)半々」だったが、「勝さんも絶対に入れてくると思ったので、ここで決めないと」とパーパットをねじ込んだ。右拳を握り、笑顔になった。

 88年のツアー制施行後、最終Rが中止となり、優勝者を決めるPOのみが実施されたのは13年の日本女子プロ選手権以来の史上5例目となった。3ホールのストロークプレーによる決戦に「驚きではあった。3ホールだけの緊張感もあって」と言うが、「プロになって試練を神様が与えてくれたのかな」。初日から掲げてきた「攻めのプレー」を貫いて異例のPOを制し今年初勝利。「ほとんどいいショットでした。ほぼ完璧だった」と満足げだった。

 昨年は9月~11月で3勝を挙げる自他共に認める「秋女」。次戦は地元・兵庫で行われる21日開幕のツアー、NOBUTAGROUPマスターズGCレディース(マスターズGC)に出場予定。「後半戦も自分のプレーができるように。楽しんで、できたらと思います」と上昇気流に乗っていく。

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